街中で電子マネーやクレジットカードが使える店が増えてきた昨今。日本にキャッシュレス社会は根づくのだろうか?
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が議論する!
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ひろ 完全キャッシュレスのレストラン「GATHERING TABLE PANTRY」が東京・中央区にオープンして話題になってますね。
ホリ つまり「現金お断り」ってことだよね。"現金嫌い"の俺としてはうれしいニュース。こういうお店がどんどん増えてほしいと思うわ。
ひろ 僕も試みとしてはおもしろいと思います。でも、出鼻をくじくようで申し訳ないんですけど、お店って「おまえには売らない!」とは言えても、日本円の受け取りを拒否することは基本的にはできないんですよ。これをやると微妙に法に触れる可能性があるんです。
ホリ へ~。
ひろ ってトリビアっぽくなりましたけど(笑)。ですから「現金のほうが高くなる」とかにしたほうが現実的だと思うんですよ。
ホリ 確かに現金払いだと10%増しってのはいいかもね。ちなみにJRなどでは、Suicaのほうが現金よりも安くなっているよね。ま、端数レベルだけど。
ひろ アメリカも中国もヨーロッパの多くの国も、現金をほとんど使わないのが当たり前になりつつあるんですけど、日本人はめっちゃ現金好きですよね。
ホリ なんでだろうね? 小銭をジャラジャラ数えるのって、誰にとっても損でしかないのに。
ひろ それにカード払いのほうがポイントもたまるんで、現金より得ですよね。これって誰でも知ってることなのに、やたらと現金にこだわる人がいる。
ホリ お店側にもメリットがあるよね。例えば小銭の管理コスト。おつり用の小銭を用意するのには両替にも行かないといけないし、大量に両替するには手数料もかかる。しかも、ストックしておくとか面倒くさい。それに、現金払いを減らせば、脱税を減らすこともできるのに。
現金のメリットは、履歴が残らないこと
ひろ 脱税予防の効果ありますよね。例えば、中華料理店が野菜炒め定食を500円で売っていたとして、野菜やごはんの在庫からは「何食売れたか?」ってのを推測するのは難しい。なので過少申告しても税務署にはバレない可能性が高いんです。
中小の飲食店なんかは、給料も安いし労働も大変なので、こういう形で得をしたがる人は一定の割合でいるかもしれないっすね。現金は非効率ですけど、現金で受け取って脱税したほうが、ある意味「効率がいい」のかもしれません。
ホリ それ以外に現金を使うメリットってなんだろ?
ひろ 履歴が残らないってことですかね? 愛人やキャバ嬢へのプレゼントをクレジットカードや電子マネーで購入すれば履歴が残っちゃいますし、風俗に何回行ったとか、エロ本やエロDVDの購入履歴も残っちゃいますよね。女装癖の人だとそういうのもわかっちゃいます。んで、それが流出したりするとなかなか笑えそうな。
ホリ あー。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが語るキャッシュレス社会「多くの人は現金が非効率なことに気づいていない」
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)