安倍政権の株価政策により、史上最高値も!? しかし、その原資を考えると… *写真はイメージです

2018年はいったいどんな年になるのだろうか?

重要な選挙や法律もあれば、深刻な社会問題もある。巨大イベントもあれば、政治・経済の激震もある。注目の新アイテムや、大流行目前のアプリもある。

そこで週プレが探した「2018年のキーワード」から、「政治・経済編」をご紹介する。

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◆史上最高値も視野! しかし代償は大きい「異次元株価」

今年の日本経済の行方を占ってみると、なんと日経平均株価がバブル期の史上最高値(3万8957円)に達する可能性まであるという。メガバンク系シンクタンクの幹部研究員が証言する。

「はっきり言ってアベノミクスは失敗。いまだにデフレからも脱却できていない。しかし、株価を好景気の象徴のように見せかけることで国民をだましているんです。

その手順はこうです。まず、日銀の資金で円安に誘導し、外国の投資家の目に日本株が割安に映るようにして、投資資金を日本に呼び込んだ。諸事情でその資金が外国に流出して株価が下がる局面では、GPIF(年金積立金管理運用法人)などが買い支え、株価を維持してきました。

昨年秋、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は、リーマン・ショック以来継続していた金融緩和政策の終了を決定しました。ほかの先進国も金融引き締めに向かうはず。

しかし安倍政権は、消費税率アップや防衛費の上昇に備え、日本は好景気だと国民に勘違いさせたい。そのためには高い株価水準が必須ですから、異次元の金融緩和政策を継続し、さらなる海外の投資資金を呼び込むでしょう。その結果、“異次元株価”が達成される可能性が非常に高いのです」

安倍政権の株価政策に使われる巨額資金の原資は国債と年金。将来、国民に増税となって返ってくるのかな……?

◆最強の“党内野党?”「安倍3選vs小泉進次郎」

今年、安倍首相の最大の敵は野党ではない。焦点は9月の自民党総裁選。下馬評どおり3選を果たすのか、それとも“波乱”があるのか?

注目されるのは岸田文雄政調会長、石破茂(いしば・しげる)元防衛相らの動向だが、実はそれ以上にポイントとなるのが、あの小泉進次郎議員の出方だという。自民党中堅議員が語る。

「昨年10月の衆院選後、小泉議員は『党内議論が政策に反映されていない』などと現政権を公然と批判しました。さすがに自身が総裁選に出るにはまだ早すぎますが、彼が前回同様に石破氏あたりを担ぐとなれば、状況次第では安倍政権にとって大きな脅威。

それで3選を果たしたとしても、今度は国民人気の高い“党内野党”の小泉議員をどう扱うかという問題に直面します。ここで重要閣僚に抜擢(ばってき)するか、それともあえて遠ざけるのか。総裁選後も駆け引きは続くというわけです」

かつて「自民党をぶっ壊す」を有言実行した父のように、政界に嵐を巻き起こす日も近い?

オール沖縄vsチーム沖縄

◆名護市長選&県知事選で火花!「オール沖縄vsチーム沖縄」

沖縄の選挙ではリベラル勢力が結集した“オール沖縄”の候補が強いが、昨年は自民系保守の9市長からなる“チーム沖縄”が結成され、浦添(うらそえ)市などの市長選で連勝。辺野古(へのこ)問題を抱える名護(なご)市長選と県知事選を控える今年はどうなるのか。政治評論家の池田和隆氏が解説する。

「実は元から沖縄には保守派が多いんです。彼らは基地移転の難しさも、政府からの補助金が沖縄経済に重要なことも理解していて、市町村レベルの選挙では保守系候補を選ぶ場合が多い。しかし、歴史的に反米・反基地志向なのは当然で、注目度の高い国政選挙や知事選ではリベラル系を選択する。今年もそうなると思います」

◆“対仏教テロ”の予感「アジアン・ジハード」

国民の大多数を仏教徒が占めるミャンマーやスリランカで、イスラム教徒のマイノリティであるロヒンギャに対する迫害が凄惨(せいさん)を極めている。国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏は、この状況が危険な“スイッチ”になりかねないと指摘する。

「イラクやシリアのIS(イスラム国)の拠点はほぼ壊滅しましたが、ジハード主義者たちのリクルート活動はネットを通じて全世界に広がる。東南アジアでのムスリムの苦境を『仏教対イスラム教』の構図に見立て、テロを煽動する動きが活発化する危険性を過小評価すべきではありません」

“対仏教”となれば日本も人ごとでは済まない。

(取材・文/本誌流行特捜班)