「金正恩(キム・ジョンウン)は“美女攻勢”を仕掛けてくるつもりなのでしょう」
北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季五輪参加を協議する南北会談を取材する韓国紙記者がこう語る。
「北は230人規模の応援団派遣を提示していますが、その多くを『美女応援団』が占めると予想されています。2002年の釜山(プサン)アジア競技大会など過去3度にわたり、北は韓国に美女応援団を送って北朝鮮ブームを起こすことに成功していますから」
過去3度の美女応援団のメンバーの条件は身長160cm以上。容姿が“基準”に達していない者は、二重まぶたにするなどの美容整形手術を平壌(ピョンヤン)の病院で受けた上で韓国にやって来たという。
「その美貌に心を奪われ、韓国では熱狂的な追っかけグループができたほど。北朝鮮は美女応援団で北のイメージアップを図り、その後の南北雪解けムード、経済制裁解除の実現を狙っているんです」
ただし今回はその美女応援団に先立ち、ひとりの北朝鮮女性が訪韓し、注目されている。1月15日の南北実務者協議に北朝鮮側代表団の一員として姿を見せた、牡丹峰(モランボン)楽団の玄松月(ヒョン・ソンウォル)団長だ。コリア国際研究所の朴斗鎮(パク・トゥジン)所長が解説する。
「過去にはセックススキャンダルによる処刑説が流れたこともあり、また金正恩委員長の元カノという噂も根強いなど、様々な風説のある国民的スター歌手です。党中央委員候補として金正恩委員長の信任も厚く、平昌五輪で北側の芸術交流事業を一手に仕切る重要人物と目されています。美貌の玄団長を南北対話のテーブルに送り込むことでソフトムードを演出し、韓国民を懐柔するつもりでしょう」
米朝のキーウーマンが接触…も!?
ところが、実はこの玄団長でさえ「露払いにすぎない」との声もある。前出の韓国紙記者がささやく。
「北朝鮮は“もっと破壊力のある美女”を送り込んでくるとの臆測が絶えません。それは金正恩委員長の実妹、金与正(キム・ヨジョン)。平昌に派遣される高官代表団のトップとして、金与正がついに国際舞台デビューを果たすかもしれません」
金与正は昨年30歳になったばかりで、細身の黒スーツを着こなすスタイルが韓国でも注目されているという。
「金与正は昨年、政治局員候補に登用され、党序列も40位台にランクアップした。これは彼女がロイヤルファミリーの一員というだけでなく、北朝鮮を支配する政治指導部の一員になったということ。しかもイデオロギー部門を担当する党宣伝扇動副部長も兼務しており、平昌入りする芸術団をコントロールする立場にある。美女攻勢の“最終兵器”として、これほどふさわしい女性高官はいないのです」
ちなみにトランプ米大統領は先日、「家族を含む代表団を平昌に派遣する」とツイート。もしその中に愛娘のイバンカがいるとしたら、五輪の開会式で米朝のキーウーマンが接触…なんてことも!?
(写真/時事通信社)