万博会場予定地は埋め立てが進む大阪湾の人工島・夢洲（大阪市此花区）。しかし現地までの地下鉄延伸計画はカジノ頼みだ。２０２５年万博の誘致を目指す大阪にビッグニュース！ 最大のライバルと目されていたフランスのパリ市が財政不足を理由に突然、立候補を断念したのだ。今年１１月の投票はロシアのエカテリンブルク、アゼルバイジャンの首都バクーとの三つ巴（どもえ）対決となり、大阪が一躍、本命の一角に躍り出た形だ。
大阪市は来場者を２０００万人以上と見込んでおり、万博開催となれば活気づく。さぞかし現地は盛り上がっているだろうと、週プレ恒例の「大阪のオバちゃん大アンケート」を実施した。
今回、話を聞いたオバちゃんは全部で３０人。ところが、予想に反してほぼシラケムード一色だ。「大阪で万博をやってほしい？」という質問に、「イエス」と答えたのは７人のみ。残りは「やってほしくない」６人、「どっちでもいい」１７人。実に８割近くのオバちゃんが否定的、もしくは無関心だ。
続いての質問は「大阪万博はいつか知ってる？」というクイズだが、これも「２５年」と正答したのはわずか４人！ なかには「懐かしいなあ。若い頃、見に行ったわ」と、１９７０年大阪万博の記憶を披露するばかりで、２度目の万博誘致が進んでいること自体を知らないオバちゃんもいた。
そして、「開催都市が決まるのはいつ？」（答えは今年１１月）に至っては…、まさかの全員ハズレ！！ はっきり言おう。大阪のオバちゃんは万博に興味なし！！！
市民の熱も足りなければ、万博の開催資金を支えるはずの財界も頼りない。運営予定費１２５０億円のうち、約４００億円を民間企業などの寄付で賄う計画だが、誘致委員会トップの榊原定征（さかきばら・さだゆき）経団連会長も資金集めに自信がないのか、「お金の話は誘致が決まってから相談」とお茶を濁し、関西経済連合会の松本正義会長は「非常に頭が痛い。足りない分をどうするか、全然見当がつかない」と悲鳴を上げている。
万博誘致を疑問視する共産党の宮原たけし大阪府議はこう指摘する。
「榊原会長が費用問題に触れないのは、『そんなにお金がないなら、誘致しないほうがいい』という世論が高まることを恐れているのでは？」
さらに、万博会場予定地の埋め立て地・夢洲（ゆめしま）までの地下鉄延伸計画は、同地にカジノができることをアテにしている。カジノ設置に不可欠なＩＲ実施法案はいまだ国会で成立するメドさえ立っておらず、仮に成立したとしても大阪が確実に建設地に選ばれるという保証もないのに、地下鉄延伸工事費（万博開催時の臨時車両関連費含め約６５０億円）の一部にカジノの運営業者からの出資を見込んでいるというのだ。
もしカジノが来なかったら、大阪湾に無理やり造った“陸の孤島”でどうやって万博をやるのか？ 大阪府万博誘致推進室に聞いてみたが、「あくまでもカジノが来ることを前提に各部署が動いていますので、そういう（カジノ誘致失敗の）ケースは想定しておりません」
とのこと。おいおい…。
熱なし、カネなし、計画性なし。大阪万博、こんな調子でホンマに大丈夫かいな？
（取材・文／ボールルーム）