森友学園の問題で、安倍政権が大ピンチだ。
それは支持率が30%台にまで下落したことだけじゃない。自民党議員による強引な政権擁護が、返ってイメージ悪化を招いたり、官僚から不信を買ったりと、やることなすことダメダメなのだ。
“安倍1強”崩壊の日が、加速度的に近づいている。
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「財務省による、財務省のための情報操作。『佐川事件』の真相究明が第一だ!」(西田昌司参義院議員・京都選挙区)
「(太田理財局長は、増税を延期する)安倍政権をおとしめるために、意図的に変な答弁をしているのでは?」(和田政宗参議院議員・宮城選挙区)
国会での自民議員の質問がどうにもぶっ飛んでいる。
公文書の改竄を佐川前理財局長の単独の仕業と決めつけ、森友スキャンダルを「佐川事件」と連呼する。財務省批判のために、陰謀論を持ち出すーーどうにも残念な振る舞いだ。政治評論家の有馬晴海氏はこう呆れる。
「本人は安倍政権を守ろうと一生懸命なのでしょうが、逆に国民への印象悪化は避けられない。これでは支持率が下がるだけ。昨年、自民の要求で与党の国会質問時間が大幅に増えましたが、それが完全に裏目に出ていますね」
政権をサポートするつもりが、逆に足を引っ張ってしまうのだからまさに“自爆”だ。
自爆といえば、国会外でも自民議員によるこんなトラブルが起きていた。前川喜平前文科次官が公立中学校で授業を行なったことを問題視した赤池誠章参議院議員(比例区)、池田佳隆衆議院議員(比例東海)が文科省に照会するなどして授業内容を調査していたことがわかったのだ。全国紙の政治部記者がこう言う。
「前川氏は加計(かけ)学園の獣医学部認可問題について、『行政がゆがめられた』と安倍政権批判を続けています。赤池、池田両氏はその前川氏に圧力をかけようと文科省に授業内容を照会したのでしょうが、これは明らかに教育基本法が禁じる『不当な支配』に当たる。結果的に安倍自民の強権ぶりを世間に印象づけることになってしまいました」
自爆議員らには共通点が…
この政治部記者によると、こうした自爆議員らには共通点があるという。
「安倍チルドレンだったり、旧次世代の党から流れてきた右派で、日本会議所属、9条改憲論者、中韓嫌い、男女別姓反対、原発推進といった点も似通っています」
自民のベテラン秘書がささやく。
「安倍首相になって、自民党は国政で5連勝中。しかし、それで自民党が強くなったかというとそうでもありません。官邸主導で候補者擁立が進んだ結果、首相好みの右派タイプの議員が増え、本来の自民の強さである人材の多様さが失われてしまいました。
自民の質問時間に同じタイプの質問者ばかりが起用され、首相にお世辞めいた質問を連発しているのは、党が劣化した証拠と考えるべきなのです」