横田基地に5機飛来した特殊作戦用のCV-22オスプレイ。当面は沖縄・嘉手納基地所属の第353特殊作戦群の分遣隊として配備

来年10月以降に配備されるはずだったオスプレイが、予定を大幅に前倒しして東京の米空軍横田基地に次々と飛来したのは4月5日。

実はこの機体、沖縄の海兵隊が運用するおなじみのMV-22とは異なり、空軍の特殊作戦に特化した「CV-22」というバージョンだ。米国で同機を取材したカメラマンの志田裕氏が解説する。

「グレー系の暗い塗装と、機首部分にセンサー類の突起が多いことが特徴。コウモリのような夜間飛行能力と地形追随装置、電子妨害機能などを備え、敵のレーダー網をくぐり抜けて地上スレスレを飛ぶことが可能です」

正式配備は今夏になるというが、この時期に来た目的は、おそらく4月末まで行なわれている米韓合同演習への参加。その任務は、特殊部隊を敵地へ送り込むことーーつまり、金正恩(キム・ジョンウン)ら北朝鮮指導部の暗殺作戦を念頭に置いたものである可能性が高いのだ。

「斬首」と「核ミサイル」を突きつけ合う米朝首脳会談は5月末から6月に開催予定。決裂すれば、いよいよ…。

CV-22は夜間作戦も可能

兵員と装備を載せて東京-平壌間の強襲作戦を展開する際に必要な、空中給油を担う特殊作戦機MC-130HコンバットタロンⅡも横田でスタンバイしているもよう

(取材・文/世良光弘 写真/毎日新聞社/アフロ U.S.Air Force)