4月に行なわれた統一地方選で、予想外の初当選を果たした"キャラ立ち議員"を、開高健ノンフィクション賞作家・畠山理仁(はたけやま・みちよし)氏が直撃する連続インタビュー。
第2回目は、東京・江戸川区議に当選したインド出身・インド料理店経営のよぎ氏に聞く。
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──よぎさんは6477票を獲得して5位当選でした。立候補のきっかけは?
よぎ 2016年に江戸川区で「西葛西リトルインド構想」が持ち上がったんです。しかし、その中身はインド人のニーズとは違いました。江戸川区には3万4000人のいろんな国籍の方がいますが、4000人のインド人だけにフォーカスを当てていた。
区議さんに「私たちが求めるものとは違う」と訴えましたが「いまさら方向転換できない」と言われ、外にいるだけでは動かないんだと強く感じました。
──外国人のニーズとは?
よぎ 新しく来る人たちには、日本語教育が必要です。また、ゴミの分別、生活習慣など、日本のマナーに対する未熟さがあります。これを教育すればトラブルは減ります。
そして江戸川区は待機児童数で23区中、ワースト2位です。日本人も外国人も、保護者の皆さんはみんな働きたい。でも、子供を預けられないから仕事ができない。日本語教室、マナー教室、待機児童問題を解決すれば、社会にとって「いい人材」が増えるんです。
──どんな選挙運動を?
よぎ 毎朝4時半に起きて駅に立ち、街宣車も使いました。寝るのは深夜1時半。最初は「ネクタイ姿でカレー屋さんがビラを配っている」と思われた(笑)。
──手応えはどうでしたか。
よぎ 初めは反応が薄かったけれど、元気よく話すうちに良くなりました。最後の3日間は多くの人がビラを受け取ってくれて、足を止めて話を聞いてくれた。
でも日本の選挙は少しへん。政治家は4年間のうち2、3週間しか活動しないし、選ばれると街の中から消えてしまう。私は毎月意見交換会を開いて「伝える政治」をやるつもりです。
──どんな区議に?
よぎ 世代、国籍、経済的・身体的状況にかかわらず、皆さんを笑顔にする改善・改革をしたい。待機児童ゼロ、区立学校の学力向上。外国人と日本人のかけ橋になりたいと思います。