「まったくの常識外れだ。愚か者の所業とのそしりは免れません」
「もう一度申し上げます。恥を知りなさい!」
6月末の参議院本会議で、自民党・三原じゅん子議員が安倍首相への問責決議案を出した野党を猛烈に批判した。自民党関係者がささやく。
「三原さんの登壇は総理直々の指名だったと聞きます。その大事な場で、内容はどうあれ"ド迫力"といわれる演説をした。総理は自分を褒め、守ってくれる人をとにかく重用しますから、おそらく参院選後の秋口にも行なわれる内閣改造で、三原さんは大臣ポストを射止めることになるはずです」
ただ、三原議員はまだ参院で当選2回、議員歴も9年ほど(今回の参院選は非改選)。自民党では衆院で当選5回、参院で3回以上が"入閣適齢期"とされるが......。
政治評論家の有馬晴海氏はこう語る。
「過去にも当選2回、議員歴8年で環境大臣に抜擢(ばってき)された丸川珠代参院議員の例があります。アナウンサー出身の丸川さんと女優だった三原さんの共通点は単にカメラ写りがよく、演説がうまいというだけでなく、強い言葉でライバルを攻撃し、安倍首相を喜ばせたこと。丸川さんも国会で鳩山由紀夫元首相を"ルーピー"(愚か者の俗称)と評し、首相のお気に入りになりました。
その点は三原さんも意識していたはずで、それが『恥を知りなさい!』などのセリフになったのでしょう。あの演説に首相が喜ばないはずがない。目ぼしい女性閣僚候補が少ないこともあり、次の改造人事で三原さんの閣僚リスト入りはほぼ確定したと考えてもいいでしょう」
こうなると落ち着かないのがほかの入閣待機組だ。何しろ、第2次安倍政権の発足以来、自民党は国政選挙5連勝中。"適齢期"に達しながらも、まだ一度も閣僚になれていない議員が大量に積み上がり、その数は60人を超えている。前出の自民党関係者はこう言う。
「今は参院選の票集めに汗を流すべき時期で、さすがに表立って猟官運動に精を出すセンセイはいない。でも、内心ではみんな『次こそは大臣!』と焦っている。そんな適齢期のセンセイたちからすれば、三原さんはよほどうらやましいのでしょう。『オレも美人に生まれて、野党から首相を守る演説をやりたかった』と、やっかみ半分でグチるセンセイもいます(苦笑)」
ということは、参院選直後から大臣ポストをかけた熾烈な争いが党内で勃発!?
「昨年10月の内閣改造では12人が初入閣しました。安倍首相の総裁任期は2021年9月までなので、あと2回改造をやれる。1回の改造で10人前後の初入閣があるとすれば、安倍政権の間に大臣になれるのは20人程度です。つまり、これから待機組のなかで"60分の20"のイスを争うサバイバルレースが始まるわけです」(前出・有馬氏)
この夏以降、野党に「愚か者!」とか「恥を知れ!」とか連呼する議員が続出したりして。ゲンナリ......。