"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回のテーマは「大阪都構想」。前編では、堀江氏が「反対派が多数になった理由は、維新の会が府と市の行政を握ったことが大きいと思う」と分析し、都構想のメリットが見えにくかったことを指摘。ひろゆき氏も「今回の住民投票って、要するに『変化を望むか、望まないか』の二択ですよね」と語った。
(この記事は、11月16日発売の『週刊プレイボーイ47号』に掲載されたものです)
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ひろ 今年はコロナの影響で珍しく東京の人口が減りましたけど、基本的には東京以外は、人口が減り続けていくわけです。地方が変わって人口を増やす方向に動かないと、日本はジリ貧になっていくんですよ。人口が減れば地価も下がるし、商売する人も減るし、公共サービスに使うお金も減る。
ホリ 大阪ですら変化できないんだよね。そして、その都構想を掲げていた維新の会の松井一郎市長は、今の任期満了で政界を引退するしね。
ひろ 変化させるという大きな仕事をやろうとした人が、失敗すると辞めなきゃいけないのはヘンですよ。これが続くと変化させようとする政治家が出てこなくなるので、悪化の一途になりますよね。そういう流れをつくった橋下徹元大阪市長の責任はデカいと思います。
ホリ 橋下さんは、そういう意味で辞めたんじゃないと思うけどね。そもそも政治家をずっとやるつもりはなかったんでしょ。
ひろ でも、失敗しても政治家を辞めなくていいと思うんですよ。橋下さんの行動の結果、ほかの政治家も責任取って辞めるのが当然みたいな流れになってきている気がします。
ホリ 橋下さんは、それを意図してないから別に責任はないよ。そもそも「責任を取って」と言っているのは言い訳で、松井さんは心が折れたんだと思う。都構想に10年もかけているわけだから。
ひろ その可能性はありそうですね。吉村洋文府知事は若いから「市民の考えが変わるまで待ちます!」とか言えばよかったのに。
ホリ でも、吉村さんあたりは復活しそうだよね。「3回目の住民投票に期待」って声があるのは事実だから。
ひろ 府や市の選挙であれだけ維新が勝っていても無理だったので、住民の志向として、もう無理なんじゃないですかね。それで、本当にその地域がヤバくなると、目の利く人は「東京は仕事が多いから上京する」みたいな感じで、稼げる地域に移動してしまう。一方で、既得権益がある人は、その地域にいても安泰ですよね。
ホリ しかも、目の利く人がいなくなると、その他の人の所得が下がるから、既得権益を持つ人はその地域で相対的にポジションも上がっていく。
ひろ 結果として、既得権益を持つ層が経済的にも政治的にも力を持つことになって、二重行政の廃止みたいなコストカットはさらにやりづらくなる。なので「変化しなきゃヤバい」ぐらいの状況になったら、もう変化はできない。
ホリ つまり「詰んでいる」という状態なのかもね。
ひろ ですから、大阪の結果が興味深いですし、日本の地方の未来を暗示していますよね。大阪・名古屋・福岡ぐらいは、自力で盛り返せるポテンシャルがあるので、ほかの地域と違う結果になるかなと思っていたんですけどねぇ......。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『将来の夢なんか、いま叶えろ。』(実務教育出版)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)