5月8日、理化学研究所の調査委員会から最終的に「STAP論文に不正があったと断定」され、小保方晴子氏のSTAP論文問題は、いったん終止符が打たれた。
この約4ヶ月間、日本中が「世紀の大発見は本当にあるのか?」という1点に振り回されてきたが、実は“違う意味”で小保方さんに振り回された男たちがいた。それが、“マインド童貞軍団”だ。
女性経験が少ない(または皆無)一方で、理想の女性には処女性を求めるなど注文も多く、コロッと恋に落ちる反面、冷めるのもまた早いマインド童貞たち。その代表ともいえる、男の墓場プロダクション代表の杉作J太郎氏が、1月29日に行なわれた小保方氏最初の会見を回想する。
「いやぁ。あれは衝撃的だった。メシ屋でテレビを見てたらSTAP細胞の発見を自慢げに発表してる小保方ちゃんが出てて。こんなに素直な笑顔を見せられる女性が現世にいたのかと。その瞬間、『俺はこのコが好きだ』とわかったな。普段は学歴の高い女なんか大嫌いなんだけど」
世紀の大発見をしちゃう高学歴のリケジョなのに、ふだんはピンク色の研究室で割ぽう着を着用。スクリーンをつま先立ちで指さすその無邪気な姿で、一気にマインド童貞の心を奪った小保方さんだった。
しかし、論文の捏造・改ざんが指摘されると、「単なるウソつきだったか……」とマインド童貞たちの心も離れていく。
それが4月9日の反論記者会見で、驚異のV字回復。「STAP細胞はありますっ!」の涙にやられ、会見中に「もう、いじめるのやめろよ!」と、初めて出会った(知った)とき以上の恋心を抱いてしまったのである。
小保方さんの「童貞の心を奪った罪」
彼らの恋物語はまだまだ終わらない。今度は小保方さんの代理人がバラエティ番組『めちゃイケ』のパロディに抗議すると、「委員長タイプだと思っていたのに、実は先生にすぐチクるイヤな女子かよ……」とドン引き。女のコらしい実験ノートを見て再び好意が盛り返すも、現在はどっちつかずのマインド童貞たちなのである。
はっきり言ってしまえば、単なる妄想、一方的な思い込みであり、小保方さんにしてみたら、いい迷惑以外の何物でもない。しかし現実問題として、このように“心の中で”振り回されてしまった男性は多いのである。
なぜ、マインド童貞たちは小保方さんに惹かれるのだろうか? 恋愛コラムニストの菊池美佳子氏は、小保方さんの「童貞の心を奪った罪」についてこう語る。
「彼女は天国と地獄を味わう形で公の場に2度登場しましたが、笑顔のシーン、涙のシーンそれぞれに童貞男子を引きつけるポイントがありました。
STAP細胞発見時には『高学歴の理系女は無愛想』というイメージをいい意味で裏切る満面の笑顔で女性らしさを見せつけ、論文騒動での会見時には『女は感情的で面倒な生き物』という定説を覆(くつがえ)す冷静な対応を見せましたよね。女性への偏見や先入観が強いマインド童貞男子ほど、このようなギャップに心をつかまれてしまうわけです」
ぐうの音も出ない的を得た分析……。マインド童貞たちの「小さな恋の物語」は、いつまで続くのか?
(取材/黄 孟志)
■週刊プレイボーイ22号「小保方さんに振り回された本誌マインド童貞たちの小さな恋物語」より