ここは西部劇でおなじみアメリカ、ウエスタン。はるかなる荒野に現れたのは......あれれ、日本の戦車だっ!? はるばる米軍のヤキマ演習場に初遠征してきた自衛隊の「10式戦車」。今まで日本の狭い演習場でたまったうっぷんを晴らすかのようにダダダダーッと走り回る雄姿を密着撮影した!
ニッポンの"第4世代"となる最新鋭「10式戦車」が、世界の舞台に颯爽(さっそう)とデビュー!
米ワシントン州ヤキマの演習場は、東京23区がふたつスッポリ入る約13万ヘクタールの広さだ。ここで行なわれた日米共同実動訓練「雷神2014」に、日本からは陸上自衛隊・第13普通科連隊(長野・松本)を中心に約350名、米側は第2ストライカー旅団など約300名が参加した。
10式は砂塵(さじん)を巻き上げながら、最高時速70キロを誇るスピードで"最前線"へと向かう。
「敵戦車多数発見! これより撃破する!」
戦車小隊は、C4Iと呼ばれるネットワークで結ばれ、敵・味方の位置が車内のデジタルマップでリアルタイムにわかる。そのため瞬時に敵を見分け、同時に多目標を狙えるようになった。もちろんスラロームしながらの高難度な射撃も可能だ。
「ヒトマルは、クールな頭脳を持つ"鉄のカウボーイ"だぜ!」(演習に参加した米軍将校)
果たして将来、同じ戦場で10式が米軍と一緒に戦うことになるのだろうかーー。
米軍との連携もスムーズな10式
■"走るコンピューター"こと10式は米軍との連携も完璧!
(取材・文/世良光弘 撮影/SASAGAWA PHOTO OFFICE)