あきれたトンデモ説か? それとも隠された真実か? 世界中で重大事が起きるたびにネットを飛び交う「陰謀論」。その中には以下のような謎めいた単語がよく登場する。陰謀論を読み解き、正しく判断するためにキーワードをおさえおこう。

【イルミナティ】1776年にドイツのパヴァリアで結成された秘密結社。政府転覆の疑いで弾圧され、10年足らずで解散した……といわれるが、実は今なお存続し、下部組織のフリーメイソンを操って陰謀しまくっているとされる。

【偽情報】真実を知ろうとする者をミスリードするため、陰謀についての偽情報が流されることがある。また、陰謀論そのものが陰謀の一環として流布されることもある。例えば、冷戦時代にソ連の諜報(ちょうほう)機関KGBは、中東でのアメリカの信用を落とすためにユダヤ陰謀論を広めている。

【偽旗作戦】大事件を起こし、それを他者の仕業に見せかけること。陰謀論では、9・11テロやボストンマラソン爆破事件など、さまざまな事件が偽旗作戦と見なされている。偽旗(にせはた)作戦は歴史上、実際に行なわれており、例えば日本では、南満州鉄道を爆破しておいて、それを口実に軍事行動を起こし、満州を占領した例がある。

【ニューワールドオーダー】イルミナティは、統一政府による世界支配を目指しているが、その前に、環境保全と資源確保のために世界人口を6分の1まで減らす計画を進めているとされる。そのビジョンがニューワールドオーダー(新世界秩序)と呼ばれている。

【フリーメイソン】何か大事件があれば、まずフリーメイソンの仕業と考えて間違いないというくらい、陰謀論においては定番の秘密結社。

世界の権力者層に広がっているメンバーがさまざまな陰謀を担っているとされ、ユダヤ人が操る工作機関と見なされることも多い。公式には会員の親睦や社会奉仕を目的とする実在の団体だが、秘密の儀式やシンボル、会員同士で交わすサインなどが謎めいた印象を与えるのは事実。

【シオン賢者の議定書】ユダヤ陰謀論の基本図書。ユダヤ人のリーダーたちがこれから世界をどんなふうに破壊してやろうかと話し合った内容が記されている。帝政ロシアの秘密警察が捏造(ねつぞう)した偽書と判明しているが、ユダヤ陰謀論ではこの書に記された計画が今も着々と進行中だとされている。