“ブラック忘年会”といって真っ先にイメージするのは、イッキ飲みの強要やえげつない余興、長すぎる説教など体育会系のそれだったり、女子社員をコンパニオンのように働かせる男尊女卑系だったりするが、さすがに最近ではそうした忘年会は減ってきている。

しかし、その代わりに増えているのが「部下と親密になりたがりすぎる」バブル前後世代の上司だ。そのゆる~く“ブラック”な実態とは? まずは、まさにSNS隆盛の時代ならではのメーワクなエピソードから!

■1 SNS好きすぎる上司 「部長がSNS好きで、フェイスブックで私生活の充実ぶりをアピールするのに夢中なんです。忘年会の時期になると、特にその傾向が強くなる。何次会になろうと彼の手にはずっとスマホかiPadがあって、とにかく部下と一緒の写真を撮りたがるんです。

この間も乾杯が済んだ後で、『もう一回してよぉ』と甘えた声を出して、部長が納得のいく写真を撮るためだけに乾杯させられるんです。バブル入社組だからノリが軽いのかもしれませんが、とにかくクドい!

『はい、じゃあ次はキミたちね。お化粧がくずれる前に撮っちゃおうよ』なんて言いながら卓を回りつつ、全員と写真に収まらないと気が済まないんです。

で、その写真をアップするときには必ず、写っている人間に許可なくタグ付けします。しかも部長のフェイスブックは公開範囲を制限してません。会社どころか全世界に向けて部下に愛されてるアピールをするなんて、どーかしてますよ。

女子社員は『写真を撮る間が最悪で、歯茎丸出しとかホウレイ線がくっきり浮かんだ瞬間みたいなタイミングばっかり。あんな写真公開されたらたまらない』って嘆いてます。そもそも撮った写真を見たら、みんな目が笑ってない(苦笑)。全然愛されてないのは一目瞭然なんですが、直属の上司だからどの忘年会でもこいつと一緒。もう忘年会と聞くだけでげんなりしてきます」 (建設関係Aさん・男性・28歳)

確かにこんな上司との忘年会はカンベン願いたい! ていうか、そもそも上司とFBでつながりたくないし、いいね!も強要されたくないぞ!!

料理をいちいちブログにUP!

■2 グルメすぎる上司 同じSNSがらみでは、IT関係で働くBさん(女性・30歳)がイライラしながらこう語る。

「グルメブログをやっている30代後半の男性上司なんですけど、自分のブログのために忘年会の料理をいちいち撮るんですよ。料理が出てきて箸をつけようとすると、手のひらで制するんです。

挙句に『このマグロの刺し身の角は、エッジが立ってないから鮮度はいまいちだね』とか批評しだすんです。酒飲んじゃえばわからないです、と突っ込んだら、『いや、僕には読者がいるからウソはつけない』だって! おまえの読者なんて知るか!!」

Bさんは今、必死にこの上司のブログを捜しているという。その理由とは?

「あいつのブログ、なんとかして炎上させたい」(Bさん)

人の心まで黒く塗りつぶしてしまう忘年会のようだ。

■3 鍋奉行すぎる上司 食事にまつわる迷惑な事例としてたくさん出てきたのが「鍋型忘年会」だ。忘年会で鍋は定番だが、ここに大きな落とし穴が待ち構えている。

「鍋奉行っているじゃないですか? ウチの上司はシメまでは口を出さないんですが、雑炊になると突然仕切りだすんです! 卵の溶き方、入れるタイミング、薬味の量まで事細かに決まっているみたいで異常な執着です。女子社員は“ウチの海○雄山”なんて呼んでますよ。

あんまりにもうっとうしいので雑炊じゃなくうどんを提案したら『俺も前からうどんがよかった』とか言い出して、雑炊以上にスイッチが入ったんです。やれ『かき回すな』『このうどんは鍋には向かない』なんて文句までつけ始めて、最後には仲居さんが涙を浮かべてました」(飲食関係Cさん・男性・32歳)

せっかくのシメなのに、これじゃあウマさ半減。「鍋型」では、もう一例、こんな話も。

「ウチの課長も典型的な鍋奉行です。正直、彼に任せてればいいからラクなんですが、厄介なのはこの人、自分の箸で取り分けるんですよ。目の前でべろべろ舐(な)めてた箸でつままれた春菊なんて食べる気しませんよ。

係長がさりげなく菜箸を渡そうとしたら『中国じゃ主人が自分の箸で取り分けるんだ!』なんて言い出す始末。いやいや、あなたに招かれたわけじゃないし、ここは日本なのにって心の中で叫びながら春菊をのみ込みました」(金融関係Dさん・女性・29歳)

人生で最も苦い春菊だったに違いない…。

(取材/加藤ジャンプ)

※まだまだある今ドキなブラック忘年会、続きは明日配信予定!