放射性炭素年代測定で約5000年前のものとされた異様な人面形青銅器。高さ約65cmで、目玉が約16cm飛び出ている。モデルは古代中国の伝説的な王様とも、宇宙人とも…

中国4000年の歴史というお決まりのフレーズが、もうすぐ使えなくなるかも?

衝撃情報の発信源は、中国西南部の「三星堆(さんせいたい)遺跡」。ここから続々と出土する青銅器が、古いものでは5000年以上前の文明によるものという調査結果が、近年になって出ているのだ。

1000年分も歴史が増えるならいいのでは…と思いきや、中国の古代史に詳しいジャーナリストの程健軍(チェン・ジェンチュン)氏はこう語る。

「現在、常識となっている“4000年の歴史”は、紀元前2000年頃に漢民族の祖先が黄河(こうが)流域に興したとされる夏(か)王朝に始まる。一方、長江(ちょうこう)流域の三星堆遺跡付近には、古来チベット系の少数民族が多く住む。

中国の歴史が少数民族に始まるという説が出るのは、漢民族による支配を正当化したい中国共産党にとって都合が悪いんです」

もうひとつ気になるのは、この遺跡が一部で「宇宙人遺跡」と呼ばれ、“古代宇宙人来襲説”がささやかれていること。人の顔をかたどった青銅器が異様な形をしているのに加え、太陽崇拝(すうはい)の証拠も出土しているからだ。

古代史転覆か、それとも宇宙人か…。それゆえ中国政府はこの遺跡をひた隠し、発掘を急がせているという。

発売中の『週刊プレイボーイ』7号では、ダイナミックすぎる歴史ミステリーの現場を訪ねた詳細リポートを掲載、謎に迫っている。

■週刊プレイボーイ7号(2月2日発売)「5000年前の『宇宙人遺跡』をめぐって中国共産党・考古学・超常研究が大激論!」より

(取材・文・撮影/近兼拓史)