仕事を意欲的にこなす夫と、家事を完璧にこなす妻。一見、フツーの夫婦だが、実は妻には様々なヒミツが隠されていて…という、毎回ミステリアスな展開が話題のドラマ『○○妻』(日本テレビ系、水曜22:00~)。

2011年に放送され高視聴率を記録した『家政婦のミタ』を生み出した脚本家とプロデューサーのタッグによるだけに路線も踏襲、毎回思わせぶりな演出と衝撃の事実発覚で今クールのドラマ中、最も高い15%前後の視聴率を保っている。

その視聴者の中心層である全国の主婦達は柴咲コウ演じる献身的な妻・ひかりに対し「こんな妻、いるわけねーだろ!」「尽くしすぎ!!」と総ツッコミ、それも話題作りに貢献している様子。

一方、夫側はネットでも「理想的な奥さん」「羨ましすぎる!」と絶賛の嵐ーー。そこで、ひかりのようなスーパー倹約妻とは正反対の“残念な妻”を持つ旦那を召集、「俺たちが求めているのは“こんな○○妻”」をテーマに語らせると…。奥さんの残念エピソードが出るわ出るわ、そして男たちの理想の妻像は身勝手にも高すぎるのだった!

ーまず皆さんの奥さんの残念ポイントから教えてください!

ヒロサワ うちの嫁さんはね~、結婚して6年目なのに一向に料理が上達しないんですよ。たぶん、レシピを忠実に作らないから想像を絶する仕上がりなんですね。その最たるものが白米ですよ。水加減を適当にするから、いつもパサパサかベチョベチョのどっちか。1ヵ月に一回くらい、ちょうどいい感じで炊きあがるレベルっす。

オオサコ いわゆる飯マズ妻、略して“飯マ妻”ですね! うちのはズバリ“汚(きたな)妻”っす。使った食器は2、3日平気でそのままだし、部屋がなんか常にホコリっぽい。この前なんてベランダの吸い殻がたまりすぎてけぶってましたよ!

イケダ 危ないですね。ウチの妻は子供を産んでから年々と肥大化してます…。最近は昼間も化粧せず上下スウェット。「産後の肥立ちが悪くなるから無理はしないの」とか言って、もう子供は1歳7ヵ月だってのに! 風呂上がりにボクサーパンツ一丁で部屋をウロウロする姿はまるでオッサン。妻には女を取り戻してほしい…。

夫が求める「専業主婦なんだから」

ーではヒロサワさん、これまでの残念すぎた料理の数々をブッちゃけましょうか!

ヒロサワ まず結婚して最初にビビった料理は肉じゃがとカボチャの煮付け。芋もカボチャも半生なのかカチカチで。この前は「料理番組で見たトマトカレー作る」と言って市販のルーで作ったシロモノがよくわからないトマト汁に…。もう料理本も番組も見るなと。

ーカレーって絶対失敗しなさそうなのに! オオサコさんの“汚妻”もなかなか香ばしい残念エピソードが出てきそうですが。

オオサコ 1歳になる子供がいるんですけど、産んでからフケツに拍車がかかり、子供が掃除機の音で泣くからと部屋の掃除や水回りの掃除をしないんです。昨年の夏、寝てたらカサカサ音がするから飛び起きたら、天井にゴキブリが2匹! さすがに大掃除しましたよ…。

ーヒィーっ! イケダさんは、やはり出産後に奥さんがどんどん変化していった感じですか?

イケダ そうですね。まず産後から女性らしい下着をつけなくなりましたね。普段はユニク●のブラトップにボクサーパンツだし、平日もほとんど起きたままの格好で私服に着替えないし。産んだ後もお腹ポッコリのままで全体的に丸くなって。なんか常にイライラしてて、家の中で笑いがなくなりました。

ーそれはなかなかキツいですね。そんな皆さんが妻に望むことは?

ヒロサワ 僕の職業はシステムエンジニアで毎日超激務なんです。毎朝7時に家を出て帰りは終電。晩ご飯はほぼ毎日外食ですが、家に着く頃には小腹が空くから軽食とかが用意されてるのが理想的ですよね…。

オオサコ 『○○妻』では、夫のヒガシ(東山紀之)が食卓に座ったタイミングで盛りたての白米と味噌汁が並んでますよね。ああいうの、本当に羨ましいですよね。

ヒロサワ そりゃ食事は常に出来たてのアツアツが良いけど、贅沢(ぜいたく)は言いません。だってうちの場合、休日でも朝は食パンにマーガリン、昼はスーパーに昼過ぎに行って値下げされた弁当を買うとかで、夜はレシピ通りに作らない妻の創作料理ですから。せめて白米と味噌汁くらいは美味しく作れるように料理の腕を少し上げていただきたいんですけど。専業主婦なんだから。

妻の言動でカチンときたこと

イケダ ですよねー。専業主婦なら料理は上達していただきたいところですね。

オオサコ ほんとに。男に年収一千万とかって夢を求めるよりも、妻も働いてふたりで稼いだ方が現実的ですよね。ウチのも最近は子供と一緒に寝てばかりで常に家でゴロゴロしてるので、働いてほしいですね。

ーたとえば、最近の妻の言動でカチンときたことは?

ヒロサワ 休みの日にちょっと家でうたた寝してたら、叩き起こされて「子供遊びに連れてけ!」と。オレ、平日は睡眠時間4時間あればいいほう。ちょっとは労(いたわ)ってほしい…。

イケダ ですよね。俺も営業で毎日神経使ってるから、ドップリ疲れて帰ってきたところで妻にママ友の悪口話とか聞かされると本当にしんどい。ドラマの柴咲コウみたいに「お仕事、大変なの?」とかって優しい言葉をかけてくれると、どんなにホッとするか。俺だって仕事のグチを家に持ち込みたくはないけど、ちょっとは労ってほしいですね。

オオサコ はいはい。俺も営業でわりと転勤が多いんだけど、妻は子供を産んでからやたらと転勤に敏感になって。小学校に入るまでには落ち着きたいとか。それもわかるけど、もっとドーンと構えててほしいんですよ。

俺は昨年7月に右肘痛めたマー君(田中将大投手)を支える妻の里田まいの言葉に感動しましたよ! 「私は一喜一憂せず、いつも通りいるだけです。人生は、長期戦。良いも悪いも、まずは受け入れる!!」と。大らかでどんな時も見守ってくれる妻、最高じゃないですかぁ!

理想の“芸能人妻”って?

ー“寛容妻”ですね。では、皆さんの理想の“芸能人妻”って?

イケダ ロンブーの淳(ロンドンブーツ1号2号の田村淳)の妻の西村香那さんですかね。淳いわく「飲みに行って遅く帰っても“何時に帰る?”などのメールもよこさないし、朝方に帰っても怒らない」らしいんですよ。一方の香那さんは「もし浮気されたら私も一緒に反省します。どちらかひとりだけ悪いということはないと思うので」と言ってて! ホント、うちのように女を捨てた妻にこそ、耳かっぽじって聞いてほしい言葉ですよ。

ー香那さんはあの有吉弘行ですら毒づくスキもなく「マイナスなところがひとつもない」とベタ褒めでしたもんね。

イケダ そーっす。あと個人的には、宮根誠司が不倫関係の女性との間に子供が出来た時、宮根さんの本妻が「(中絶をしなかったのは)それはとりあえず正解や。あとは自己責任でちゃんとやりなさい」って言ったのにはシビレました。なんてデカいカミサンだ!と。

ヒロサワ 俺はフツーに、北斗晶とか羨ましーっすよ。ブログ見ると料理は美味そうだし、会社名を「健介Office」にして旦那を立てたり“鬼嫁”を登録商標する商売センスもあったりで、さすが元デンジャラス・クイーン(北斗晶のレスラー時代の愛称)だなと。

ーあー、北斗さんはまさに内助の功ですね! 一見怖そうだけど実は繊細な“反面妻”、いや“意外妻”ですか。

ヒロサワ そうそう。まっ、顔は残念だけど、笑うと目がなくなっちゃって、だんだん可愛く見えてきますよね。

オオサコ 俺は里田まいも良いけど、辻ちゃん(辻希美)もいいな! ブログで毎日、晩ご飯とかの写真をUPしてるけど、すげー何品もあって豪華だし。

ー夫の杉浦太陽とラブラブな様子を見てると微笑ましいっすね。

オオサコ はい。まあ、高橋ジョージと三船美佳のように一見するとおしどり夫婦に見えても、離婚訴訟騒動が起こったりして、夫婦ってわかんねーもんだなって思いますけどね。

他の“残念な夫”たちからも切実な声

ーたしかにー。では最後に、それぞれの奥さんに“モノ申ぉぉす!”的な感じで締めくくりましょーか!

ヒロサワ とりあえず料理本や料理番組のレシピ通りに作ってくれ、ですかね。バランスの取れた食事じゃなくってもいい。まずは白米の水加減を目盛通りに入れて炊くところから初めてほしい。“基本妻”ですね…!

オオサコ やっぱ専業主婦でいるなら最低限、自分の持ち場である家を居心地の良い空間にしてほしいし、そのための掃除はちゃんとしてほしいんで“清潔妻”っすかね。

イケダ まあセクシーな下着をつけなくても、上下スウェットでも良い、この際オッサンでもいい! けど、とりあえずいつも笑っててほしい。子供を産んでから家庭内が常にギスギスしてて、妻の笑顔を見てない気がするので…。穏やかで聞き上手な“寛容妻”でいてほしい、ただそれだけです…。

* * *

なんと切実な…。このほか、周囲の夫たちから声を集めると、容姿は高望みしなくとも「明るく覇気がある」「どんなヒトに会っても挨拶できたりコミュニケーションが取れる」「人付き合いが上手。とくに近所付き合いや姑との付き合いも難なくこなす」など、主婦力のある“交際妻”を望む声は多かった。

また、「男を立ててほしい」という意見も多いなか、特に目立ったのが「他人や子供の前で俺の悪口を言うな」というもの。

「休日に家にママ友を呼ぶのは構わないけど、自分の悪口はもちろん他人の家の旦那さんの悪口を聞かされるのはキツい」(32歳・自営業)、「いくら俺が太ってるからって、子供がいる前で“おいデブ!”とか呼ぶな。子供がマネするだろ!」(35歳・飲食店)などなど。“暴言妻”もそれだけ多いということか?

かくいう旦那たちも妻から見れば「よく言うよ、“残念な夫”のくせに!」となるのでしょうが(苦笑)。お互い、こんな求めに聞く耳持って、“いい夫婦”になりますよーに!

(取材・文/河合桃子)