3月、渋谷区は同性カップルに関する新条例案を議会に提出する。希望する同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める「パートナーシップ証明」を発行するというのだ。

その背景については先日お伝えしたが(「渋谷区“同性カップル証明”条例はシブヤ系衰退のためだった?」http://wpb.shueisha.co.jp/2015/02/23/43991/)、この新条例案について反応が気になるのは、やはり聖地といわれる新宿二丁目にいるゲイたちだろう。彼らは一体、どう思っているのか?

「もちろん、大歓迎よ! カレと一緒に家を借りる時、『友人』とウソをつかなくてよくなるし」(和樹さん・仮名・25歳)

一方で、好意的ではない見方もある。

「申請するにはゲイであることを区役所にカミングアウトしないといけないわけでしょ? 日常生活ではノンケとして暮らしているのに、そんなの絶対ムリムリ! どこから情報が漏れるかわからない世の中だし、メリットに対してリスクが高すぎ!」(雅人さん・仮名・30歳)

そのほか数人のゲイに話を聞いたが、多くは今回の条例を好意的に捉えていて、否定的なのは少数だった。

最後に、新宿二丁目の住人でゲイの女装家ブルボンヌ氏が、こんな展望を語ってくれた。

「証明書を受け取る人が増えていけば、消極的なLGBTの人たちも勇気を出してカミングアウトするんじゃないかな。それと同時に周りの環境も変わっていくと思うの。

昔だったら偏見の目で見られていたのが、同性カップルが公に認められることで、会社の上司が『なんだ、そうだったのか』って受け入れてくれるかもしれない。いつの日か、同性カップルが法的に保障されるようになれば最高ね」

渋谷区に続き、世田谷区でもパートナーシップ証明書の発行を検討しているという。LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの略称)の人たちにとって、今年はターニングポイントになるかも。