4月の歓送迎会シーズンを前に気をつけたいのが「ぼったくり居酒屋」。お得な呼び込みに釣られてお店に行ったら、最初に聞いていた金額をはるかに超える請求額が…なんて事件が頻発しているのだ。
では、ダマされないためには何に気をつければ? 歌舞伎町など東京の繁華街で客を狙う、現役の「ぼったくり居酒屋キャッチ」3人が明かす、その手法とは…。
●ヨシオさん(仮名・25歳)…主戦場は新宿駅近辺、歌舞伎町。得意技はスマホを使ったダミーの案内。ミュージシャンを目指しているフリーター ●ケントさん(仮名・22歳)…主戦場は池袋駅近辺。得意技はたくさんのビラを使った、「いろんな店紹介できます」という勧誘。経済を学ぶ大学生 ●ユウキさん(仮名・28歳)…主戦場は歌舞伎町。得意技はあえて小道具を使わない、心のぶつかり合い。顔がかわいく、悪い人には見えないフリーター
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ヨシオ この季節、狙いやすいのは21時~22時くらいの2次会に向かう5人以上の団体です。寒いし、酔ってるから早く店を決めたがる。看板を見ながらウロウロしている「歓送迎会っぽい団体」がいたら、すかさずGOします!
ユウキ あと、シーズン問わず狙いやすいのは、金の蔵とか混んでいる人気の居酒屋に行こうとする客。店の前で「金の蔵行かれますか? ちょっと聞いてみますね!」と、その店の店員のフリをして声をかける。で、インカムで話すマネをした後に「満席みたいです。系列店でよければ紹介しますよ」と誘う。これで一度は断られても、実際に店に入ってみると本当に満席だから、こっちに戻ってきてくれることが多いんだよね。
ヨシオ なかでも鳥貴族に行こうとする客はやりやすい。鳥貴族って公式サイトから「ただいま何人待ち」っていうのが見られるんです。でも、このシステムを知らない人がほとんどで、画面を見せると「こんな情報知ってるってことは、本当にお店の人だな」って信じてもらいやすい。
ユウキ キャッチの間では「トリキ返し」っていう技の名前まであるくらい有名です。こんなこと俺が言うのもなんだけど、歌舞伎町の鳥貴族前でキャッチに遭ったら、向かいの「やきとりセンター」に逃げ込んだほうがいい。比較的空いてるし、値段も安いから(笑)。
飲み放題の売り文句には要注意!
―では実際に、どんな口説き文句で勧誘を?
ケント 僕の場合、一度足を止めてくれたら「20店舗ほど案内しているので好きなところを言ってください!」とラミネートされたビラの束を見せます。もちろん、その中には人気チェーン居酒屋のものも忍ばせて。実際はチェーン店なんか案内できないし、案内可能なのは1、2店舗だけなんですけど。
ユウキ 数店舗のビラの中にチェーン居酒屋のものが入っていたら、そいつは100%ぼったくりキャッチだね。あとは金額交渉の話かな。「お通しなし、チャージなし、深夜料金なしで飲み放題、完全個室!」の「なしなし攻め」はかなり有効。
―でも、実際は違うと?
ユウキ 最後に「ただし、ひとり2フードのオーダーお願いします」と言って、店に入ると、このフードがめちゃくちゃ高い!!
ケント ひどい店だとスライストマト1000円近く取るところありますよね。キャッチ店は基本的にフードがかなり高いです。
―他には?
ユウキ 「完全個室です」はだいたい、すだれの仕切りのみね。キャッチ店で完全個室はまずない。
ヨシオ あと、「飲み放題980円に1品つけます!」。
ユウキ ひとり1品かと思いきや、全員で1品。追加のフード代がかかる、かかる(笑)。
ヨシオ それと、「飲み放題」の罠。
ケント 生ビールが飲み放題に含まれていなかったり、女性が多いグループには、女性が好きそうなドリンクは別の飲み放題プランになる店を紹介したり…まぁ根本的なことを言うと、飲み物が出てくるのがとにかく遅い! それで、あらかじめ何も言ってないのに「2時間制なので」って、早々に出ていってもらうのが常套手段です。
ユウキ 本当にひどい店だと「飲み放題980円です」とだけ言って、お通し料、サービス料、深夜・週末料金を取った上に、マストオーダーの2フードが激高、というフルコースの請求をするから本当に注意!
■週刊プレイボーイ12号(3月9日発売)「入ったお店で抵抗したらトイレ掃除をさせられる!?“ぼったくり居酒屋キャッチ”緊急座談会」より(本誌では、さらにキャッチのヤバいやり口や口説き文句、実体を指南!)