2日(日本時間3日未明)、ロンドンのセント・メアリー病院を退院した英王室のキャサリン妃は、出産したばかりの王女を抱いて群衆の前に現れ、笑顔で手を振った。それは出産からわずか9時間半後のこと。王室フィーバーが過熱するなかで、どれだけ落ち着いた子育てができるのか注目される。
タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!
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女のコはみんなお姫様になりたいのだと思っていないですか? 白馬に乗った王子様を待っているのだと。
でもレリゴー姉妹が「王子様はいらない」を体現して世界的な人気者になったように、みんなわかっているのです。プリンセスってけっこうしんどそうじゃない?って。
「よってたかって品定めされる」という過酷さは女性のほうがはるかに大きい。王子様は地味でも王子。でもお姫様は「地味で気の毒」扱いされる。よそのかわいいプリンセスと比較されるのです。
それをわかっている戦略的プリンセスしか、大衆受けするアイドルとして生き残れないのは、残酷ですね。
美貌と好感度と運の強さで見事その貪欲なマーケットに参入し勝者となったキャサリン妃は“スーパープリンセス”。
そしてその娘のシャーロット王女は、生まれて24時間もたたないうちから世界中の大衆の欲望に晒(さら)されるのですから、なんと過酷なことでしょう。舌なめずりして人々は待っているのです。「天使のように美しいプリンセスの物語」を。
どうか彼女がそんな欲望を意に介さない、自由と反骨精神あふれるマイティプリンセスでありますように!
●小島慶子 タレント、エッセイスト。1972年生まれ。中高の3学年上にリアルプリンセスが在学していたため、校内に私服警官がいる環境で学ぶ。学費と偏差値で手に入れたロイヤルブランドは、その後、渡世に役立った