7月5日に行なわれた国民投票でギリシャ国民はEU(欧州連合)が要求する財政緊縮策にNOを突きつけたーー。

これにより、借りたカネが返せず、デフォルト(債務不履行)に陥る気配が濃厚となっている。

そうなれば、ギリシャ危機は世界へと飛び火。日本も無関係ではいられない。そんな国際社会が固唾(かたず)をのんで見守るギリシャだが、この国にはもうひとつの顔がある。

「実はギリシャはセックス大国としても有名。コンドームメーカー・デュレックス社の調査(2005年)によると、ギリシャ人の年間平均セックス回数は164回で、調査を行なった26ヵ国中1位という絶倫ぶり。ちなみに日本は48回で最下位でした」(海外の性事情に詳しいライターの九界猛氏)

ギリシャ人の絶倫ぶりの理由をアテネの出版社に勤めるジョージ(38歳・男性)はこう説明する。

「ギリシャ人にとって、豊かな性生活は何よりも優先すべきこと。セックスほどパートナーとのコミュニケーションが深まるものはないからね。それに、我を忘れるようなエクスタシーを経験しないまま一日を終えるなんて、とても勿体ないことだと思わないかい? まぁ、仕事で精力を使うのは、もっと勿体ないことだけどね(笑)」

ドイツのメルケル首相が聞いたら顔を真っ赤にして怒りそうな話だが、複数のギリシャ人に取材したところ、「ギリシャ男はシエスタ(昼寝)で家に帰った際、夜まで待てずに奥さんとヤッてしまう」、「オリーブオイルのおかげでいつもギンギン」、「スパンキングが大好き」、「セックスしないと風邪をひく」、「風邪をひくとセックスで治す」…など性豪伝説には本当に事欠かないようだ。

いくら陽気なギリシャ人だって萎える?

ところが昨今、そんな状況に異変が起きているという。

「経済危機の影響か、近年は男たちも仕事を失い、元気がありません。当然、夜の営みにも影響が出ており、ギリシャ娘たちは『これでは夜もデフォルトよ』と危機感を募らせているんです」(前出・九界氏)

事実、先のデュレックス社が11年に行なった別のセックス調査では、ギリシャは37ヵ国中11位とNo.1の座から大きく陥落しているのだ。

だが、ギリシャ在住のコスタス(43歳・男性)は「今、調査すればギリシャの順位はもっと下がっているはずだ」と断言する。

「この5年、GDPが25%も縮小するほど景気は冷え込んだ。国内にいる若者の多くはろくな仕事もなく、親や祖父母からの小遣いで生活しているんだ。これではカフェでコーヒーを飲むのが精いっぱい。新しいバイクはもちろん、服も買えない。いくら陽気なギリシャ人だって萎(な)えるさ」

さらに、日本に留学中のギリシャ人女性(24歳)からはこんな証言も…。

「ギリシャ人はバーで夜な夜な哲学や政治や愛を語るけど、昨今の不況でお酒1杯で朝までなんてこともざら。これじゃあ盛り上がるものも盛り上がらないわ」

また、前出のジョージによれば、昨今、若者の恋愛のルールが変わってきているとも。

「僕らが若い頃はパートナーが見つかるまでは様々な相手と“実験”ができたけど、最近は若いうちから特定の女性と長い関係を築こうとするみたいだ。国の未来が見えないから、早く家庭を築こうとするのはわかるけど…。でも、地中海の人間の本質は性の営みにある。早く国を立て直して元気になってほしいね」

どこかの国でも男の元気のなさは同様に深刻だが…ギリシャ経済の行方とともに他人事ではない!?

(取材/本誌ニュース班)

■週刊プレイボーイ30号「『セックス大国』もいまや昔。経済破綻のしわ寄せは下半身にも波及!?『ギリシャ人はチンチンもデフォルトしていた』は本当か!?」より