品川駅から国際線ターミナル駅へ最速11分の京浜急行(左)。浜松町駅から国際線ターミナルへ最速13分の東京モノレール(右)。所要時間はほぼ互角

お盆やシルバーウィークなどで乗る機会の多い電車。普段は日常の足としても使っているが、業界内では様々なバトルが起きているという。

そんな鉄道業界の最新事情について、時刻表検定1級を持つセキネ、日本の鉄道路線を全線制覇したワタナベの本誌鉄ヲタ記者ふたりが徹底討論した。

■優位の京浜急行、追いかけるのは?

セキネ 2020年の東京オリンピックが決定したことで、玄関口となる羽田空港へのアクセスをめぐってのバトルが盛り上がってます!

ワタナベ 元々、羽田空港は東京モノレールしか乗り入れていなかったんだけど、1998年に空港が拡張されたことによって京浜急行が参戦。さらに2012年にボトルネックだった京急蒲田駅を改良したことによって、ほぼ5分おきに品川方面と横浜方面から列車が来るようになった。

セキネ 東京モノレールも2002年にJR東日本の傘下に入ってから、JRとの割引きっぷを販売したり、2007年には昭和島駅に追い越し設備を造って、快速の運転を始めたりと頑張ってます。

ワタナベ でも現状は京急のほうが乗客が多い。理由はいくつかあって、まず都営浅草線や京成電鉄に乗り入れていて便利。あと、駅がわかりやすい。モノレールは国内線だとふたつ駅があって迷うけど、京急はひとつで間違えない。

セキネ そこへ最近、JR東日本が羽田空港への乗り入れを計画してる。元々、羽田空港の近くに貨物用の線路があるから少し延ばすだけでいいし。新宿やりんかい線からも羽田へ直通できるルートを考えているらしい。

ワタナベ それなら東急蒲田駅と京急蒲田駅の800mをつなぐ蒲蒲(かまかま)線構想もある。完成すれば渋谷から東急線経由で羽田空港へ行ける。大田区役所の地下は線路用スペースを確保しているらしい。

セキネ とはいえ、蒲蒲線は根本的な問題として、東急線と京急線の線路幅が違うから乗り入れられないんだよね。

ワタナベ 今のところ京急が有利なことは間違いない。さらに今年の3月に開業した上野東京ラインで高崎線や宇都宮線、常磐線から品川駅へ乗り換えなしで行けるようになって、より便利になった。

セキネ 結果として東京モノレールの親会社であるJR東日本がライバルの京急を助けちゃってますね。

●この続き第2回は明日配信予定! 来年3月開業の北海道新幹線でJR北海道が抱える問題とは?