東京・四ツ谷にある「坊主BAR」の店主で、僧侶である善念さん

昨今、ツイッターで話題のハッシュタグ「坊さんあるある」。お坊さんならではの「あるあるネタ」(及び「ぶっちゃけトーク」)が多くのツイッター民のハートをつかみ、注目を集めている。

TVの世界でも人気番組『お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺』が深夜枠からゴールデンに進出するなど、お坊さん人気は加速。今年8月、週プレNEWSで現役のお坊さんにお盆の「あるある」を聞いた記事「流行りの“坊さんあるある”お盆の本音『帰省した娘さんが可愛くなってる檀家は…』」も大反響だった。

SNSやバラエティ番組のおかげで、身近な存在になりつつあるお坊さん。しかし、彼らの“生態”について我々は知らないことが多すぎる。そこで、お坊さんの本音特集第2弾!! 前回に続き、東京・四ツ谷にある「坊主BAR」の店主で、僧侶である善念さんにあんな疑問、こんな疑問を聞いてみた。

まず、気になるのはお坊さんになるにはどういう方法があるのか、ということ。仏教学部を持つ大学もあるが、そこを卒業すればサクッとなれるものなのでしょーか?

「いえ、そういうものではありません。大学に行く人も行かない人もそれぞれですが、一般的な例としては高校や大学などを出た後に最低1年は僧侶の学校に通います。浄土真宗の場合は京都に研修道場があって、僧侶の学校を出た後に数週間くらい研修に行くんですね。修行の期間も宗派によってまちまち。

曹洞宗などは厳しくて、1~2年で終わらず何年にも渡り修行する場合もあるようです。いずれにせよ修行は宗派によって、だいぶ変わってきますので一概には言えませんが」

お坊さんといえば、不殺生戒を守る=生き物を殺してはいけない、つまりお肉を食べないイメージがある。やはり普段の食事は精進料理を?

「いえ、これも宗派によっても違うんですが、私は肉を食べます。そこは普通の方と一緒です。大切なのは“姿勢”なんだと思います。たとえば、肉を食べながら何を思うか、とか。ちなみに修行で肉を食べない宗派でも、終われば普通に肉を食べています。ちなみに、私は吉野家にもマックにいきますよ」

『ぶっちゃけ寺』はまだ本音じゃない?

吉野家やマックで、祈りを捧げながら食べているとは(震え)…。ところで今ドキな話題ですが、バラエティ番組『ぶっちゃけ寺』人気について、出演していないお坊さんたちはぶっちゃけどう思っているんでしょう。

「私自身、番組は見たことがないのですが、広く公に仏教文化などが伝わってほしいので素晴らしいことと思っています。でも、“本当の本当”のところまではぶっちゃけてないのではないでしょうか(笑)。まぁ、私たち僧侶はタレント気分になってはいけませんから。そこはしっかりしないと。

ちなみに以前、あるお客さんと番組の話になった際、『あのお坊さんは「ぶっちゃけ寺」に出ている偉い方なのよ』と仰っていたましたが、少し頭をかしげてしまいました。世俗の物差しで評価することが正しいのかわかりませんから」

世俗の物差しなんて仏の前では無意味ですからね…って、そんなこと言いつつ、善念さんも「イケメン坊主」「癒し系坊主」などにフォーカスした書籍『美坊主図鑑』の表紙を飾った輝かしい過去があるらしいじゃないですか!

「あ、あんな風に載るとは思ってなかったので…しかも、直前まで取材を断ってましたし。上っ面だけスポットを当てられるのも俗っぽいというか、チャラチャラ思われるんじゃないかと思って。そもそも、顔だけでいうと美坊主図鑑の中でも本当の美坊主は2~3人くらいしかいないんじゃないですか(笑)。私なんて、全然、美坊主じゃないし」

そんなことないですよ…(棒読み)。

「でもあの本のおかげで、お店にお客さんも来てくださったので感謝しています。仏教のことを知ってもらうひとつのきっかけにもなりますし。やはり、目を向けてもらうには、多少なりとも“アメ”が必要ですからね。昔は子供がお寺に来てもらえるようにお菓子を用意していました。坊主BARは、アメをお酒に代えて、大人の方に来てもらえるようにしただけです」

お坊さんはゲイと病んでる女性にモテる説

なるほどー。では、少し下世話なことをお伺いしますが、美坊主図鑑に載ったことで、女性からアプローチされたりはしなかったんですか。

「全くないです(笑)。でも初めて訪ねてくださったのはゲイの方でした。私はなぜか男性にモテるみたいです…」

アーッ! メイジング!! …ちなみに、同店スタッフの別の僧侶によると「お坊さんはゲイと病んでる女性にモテる」らしい。ゲイからはスキンヘッドで清潔感があるところから好まれ、病んでる女性からは優しいところから好かれる、とのことだった。

となると、やっぱりお坊さんの「夜の顔」も気になるのですが、ついつい煩悩が暴走しちゃうこともあるんでしょーか? 例えば、キャバクラで遊びまくったりとか…。以前、大ヒットした映画『ファンシィダンス』(※)にはそういうシーンもありました。(※岡野玲子原作の人気漫画を周防正行監督で1989年に映画化。本木雅弘が主演の修行僧役で映画賞を総なめにし、第一次坊さんブームとなる)

「女性のいるお店が好きなお坊さんも多いのかもしれませんね。基本、男ばかりの社会なので、しょうがないような気もします。とはいえ大切なお布施ですので、ほどほどがいいのかもしれませんが。

ただ、ホステスさんに聞くとお坊さんは優しいしお金払いが良くて、席に着くのが嬉しいという話もよく聞くので、悪いことばかりでもないのではと思うのですが…。まあバブル期とは違うでしょうし、今は時代も変わってきているのではないでしょうか」

んー、まだまだ聞き足りません。というわけで、この続きは明日また配信予定!

(取材・文/ケンジパーマ)