『紅白歌合戦』は男女で戦うことに意味はあるのだろうか?と小島さん。その提案する改革案とは…

66回目を数える今年の紅白には、大みそかの顔ともいうべき“ラスボス”小林幸子も4年ぶりに復帰ーー。

特別企画での出場とのことで、空白の3年間のうっぷんを晴らす大暴れぶりを期待したいところだが…。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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第1回NHK『紅白歌合戦』は1951年。戦後、女性の解放が推進される中で、新時代の番組として「スポーツは無理でも歌なら男女が平等に戦うことができる!」と男女対抗形式にしたそうです。

しかし今、男女で戦うことに意味はあるのだろうか?と素朴な疑問。個人的には白組が勝ったからといって「悔しい!」とかまるで思いません。美輪明宏さんもいらっしゃることだし、もう変えてもいいんじゃないか?

世相を映すなら、「どうにも動かせない既得権益もせめて歌では対等に!」ということでベテランvs新進なんていかが? もやっとするキャスティングがむしろ生かせますね。あるいは時の人をふたり司会にして、それぞれ独自の選抜チームをつくるのもいいかも。

今年だと、ピース又吉さんチームvs佐野研二郎さんチームかな…佐野さんチームの顔ぶれが気になります。選ばれるのが名誉なのか不名誉なのか、勝って嬉しいのかどうかも微妙ですね。その痛がゆさを噛み締めながら年が暮れてゆくというのもいいんじゃないでしょうか。

お祭り騒ぎも諸行無常。『ゆく年くる年』の鐘の音の味わいも深まりそうです。

●小島慶子(こじま・けいこ)タレント、エッセイスト。今年は大好きなゲスの極み乙女。が出場するのが個人的には嬉しい。紅白はともかく、『ゆく年くる年』→『年の初めはさだまさし』の流れで「ああお正月だ」と実感する