先日発売された『ミシュランガイド東京2016』(日本ミシュランタイヤ)で、ラーメン店としては世界で初めて、東京・巣鴨に店を構える「Japanese Soba Noodles 蔦(つた)」に「一つ星」が与えられたーー。
タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!
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権威あるミシュランの星がラーメン店に与えられた!と話題になっています。ラーメンは世界も認める日本の味なのだと。
ミシュランはご存じ、フランスのタイヤメーカー。元は、ドライバーがガイドを見てあちこち旅すればタイヤがすり減り、売り上げにつながるだろうという発想で始めたことのようです。
東京版ができたのは2007年。今や日本は8つの地方で27軒もの三つ星レストランを誇る世界トップクラスの評価となっています。しかしこれも、ブリヂストンが強い日本のタイヤ市場でミシュランの知名度を上げようという戦略だという見方もあるそうです。
私はグルメではないので、ミシュランガイドの星の数には関心がありません。グルメガイドとしての歴史と信頼には敬意を払いますが、それでもガイドより舌の肥えた友人の口コミを信じます。
店としては権威ある星を獲得すれば売り上げにつながるので真剣でしょうが、あまり行き過ぎてもなぁ。
フランスでは星を失ったシェフの自殺者も出ているとか。あんまり格付けに縛られると、素直な食の喜びがすり減ってしまいそうです。
●小島慶子(こじま・けいこ) タレント、エッセイスト。ラーメンを食べることも星付きレストランに行くこともないが、おいしいものは好き。今年食べたものの中で一番おいしかったのは、秋田の「ミズの実」という山菜。形もかわいい