私の息子たちが世界のどこで働くにせよ、どこの人とも仲良く仕事ができるようになってほしい

シャープの経営再建に名乗りを上げた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業・郭台銘(グオタイミン)会長は5日、再建案合意に関して「優先で交渉できる権利のサインをした」と述べたものの、交渉には微妙なズレも生じているようだーー・

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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2月29日までに台湾の鴻海とシャープが買収の正式合意に至るのか現時点ではまだわからないけれど、今後、日本の企業が外国、特にアジア圏の企業に買収されることは増えるだろうといわれているようですね。

実は私、子供の頃にシンガポールや香港で暮らしていたせいか、街にアジア系の外国人が増えたり、中国語が飛び交ったりするのは懐かしくすら感じてしまうのです。

ましてこの先、私の息子たちが世界のどこで働くにせよ、上司が中国人とか同僚がインド人とか後輩がマレーシア人なんてことはいくらでもあり得るわけです。息子たちにはどこの人とも仲良く仕事ができるようになってほしい。

日本企業で働いてる人も、ある日突然、金色のマフラーを巻いた言葉の通じないボスがやって来ることだってあるのです。日本の企業は日本人がなんとかするべきとか言ってる間に会社がつぶれたり、人員削減されたりするくらいなら、言葉の通じない上司の下で頑張るほうがいいと考える人も少なくないはず。

そもそも日本人の上司でもまるきり話が通じなかったりしますものね。…それにしても鴻海の郭会長、胸元の色合わせが強烈でした。

小島慶子(Kojima Keiko)タレント、エッセイスト。以前愛用していたSANYOのAQUA洗濯機は、いまや中国のハイアールの傘下。オーストラリアの自宅では、日・中・韓・豪・独・英・スウェーデンの家電を使用