なぜ、不倫を糾弾する人がいる一方で、「第三者がLINEを盗み見た」という行為の違法性を追求する人は少ないのか なぜ、不倫を糾弾する人がいる一方で、「第三者がLINEを盗み見た」という行為の違法性を追求する人は少ないのか

ベッキーと「ゲスの極み乙女。」のボーカル・川谷絵音の不倫騒動は、1ヵ月以上経っても沈静化していない。その理由のひとつが、不倫の是非とは別に「なぜプライベートなLINEが流出したのか?」という情報セキュリティの視点からの関心だ。

『週刊プレイボーイ』本誌で対談コラム「帰ってきた!なんかヘンだよね」を連載中の“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏も、今回の騒動に同じような疑問を持ったという。

LINE流出の原因については、様々な説が唱えられている。中でも有力なのは、「iPhoneのクローンを作った」という説だ。簡単に言うと、川谷のiPhoneをパソコンにつないでバックアップを取り、別のiPhoneで復元する。すると当事者に気づかれずに第三者がリアルタイムで本人のLINEをチェックできるという方法だ。

しかし、iPhone所有者の同意を得ていなければ、当然、これは違法。それだけに「捏造だと主張する方法はあったはず」とひろゆき氏は言う。

「画像なんてアイコラと一緒でいくらでも捏造できるのは事実ですから。ってことで、LINEの件も強引に押し通せばよかったのになんでやらなかったんでしょうね。まぁ、もっとヤバい証拠を握られてたのかもしれないっすね。写真とか動画とかもチェックされている可能性はあるわけですし」

スマートフォンのデータ流出騒動は、今回が初めてではない。以前、ハリウッド女優がiCloudで同期していたプライベート画像が流出したこともあったように、むやみにネット上にデータを残すことには便利な半面、リスクもある。

「自分がいくらケアしていても、一緒に写ってる知人や友人がバラしてアリバイ工作に失敗したりすることはありますし。画像がなくても、フェイスブックとかに『同窓会で○○さんに会いました!』って書かれることもありますからね。まぁ、悪いことはしないに限りますよ。僕みたいに嘘もつかないで正しく生きてるほうがいい(笑)」(ひろゆき氏)

堀江氏から「正直」と評されるひろゆき氏は、「大人の嘘」について、次のような持論を展開する。

「嘘つけるほど記憶力がよくないんですよね。誰にこういう説明をしたっていう記憶が維持できないので嘘が継続できないんですよ。それがバレた時には『嘘をついた』って罰も乗っかってよけいに怒られるので、それなら最初の原因の分だけ怒られたほうが得。

それに、大人になってからも嘘をつき続けられる人って、今まで嘘がバレて損したことより、嘘をついて得をした経験のほうが多いからだと思うんですよ。んで、バレないような嘘をいろんな状況で使って逃げ切ってきたわけですから、それなりに記憶力とか発想とか準備とかの能力がないと難しいわけです。

「第三者がLINEを盗み見た」という行為の違法性

それでベッキーの不倫騒動に話を戻すと、ダメージコントロールの問題として『不倫で嘘つき』というのと、『純愛だったけど、奥さんがいたのを知りませんでした』っていう2択があったと思うんですよ。だから記者会見で『どうしていいのかわからないんです』って泣いておけば、ここまでバッシングされなくても済んだと思います」

堀江氏も「小保方晴子さんも会見で泣いて、彼女に同情した人が結構いるみたいだからね」とうなずく。

どうやら、世の中には「泣いているかわいそうな女の人が嘘をついてるはずがない」って考える人が一定数はいるようだ。「つまり、真実よりも、その人の態度で事実関係を決めようとする人々がいるわけです。なので、これからでも泣いて謝るパターンはありです」とひろゆき氏は言う。

さらに、ベッキーを責めるネット上の世論には、「不倫はよくない」という批判の他に「清廉潔白なイメージだった人が堕ちていくのが楽しい」という負の感情で楽しんでいる人もいると指摘する。

しかし不思議なのは、様々な理由でふたりの不倫を糾弾する人がいる一方で、「第三者がLINEを盗み見た」という行為の違法性を追求する人は少ないことだ。

これについて堀江氏は「今回の件でLINEの穴はふさがれると思うけど、相変わらずiPhoneのクローンは作れるし、寝ている間にタッチIDを取られることもある。違法行為なことは確かだから、本当は摘発すべきだと思う」と話す。

不倫はいけないことだが、だからといって不正アクセス禁止法に抵触してもいいわけではない。本当にこのまま違法行為が野放しになっていいのか?とふたりは疑問を呈するのだった。

●この全文は『週刊プレイボーイ』8号(2月8日発売)でお読みいただけます!

(イラスト/西アズナブル)