忘れちゃいけないのは「男性が育休を取りやすい世の中へ」という大目標

昨年末、男性国会議員としては初となる育休取得宣言をしていた宮崎謙介氏だったが、妻の金子恵美衆議院議員の妊娠中にグラビアタレントと“ゲス不倫”していたことが発覚、議員辞職に追い込まれたーー。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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「宮崎議員を嫌いでも、男性育休を嫌いにならないで」「むしろどんなクソ野郎にも育休の権利はあることを言い続けるしかない」ーー。

私の周囲のワーク・ライフ・バランスを推進する人々は、皆一様に宮崎氏への落胆と怒りを口にしています。

そもそもチャラ男風で反発を買いやすい印象だった宮崎氏が、リスクを冒して議論を提起し、国会から「常識」を変えようとしたら、本当にチャラかったというお粗末な話。だけど、忘れちゃいけないのは「男性が育休を取りやすい世の中へ」という大目標です。

育児に限らず、誰にだって仕事以外の人生もありますよね。それをすべて犠牲にして働く人しか評価されないという今までの常識を変えようという動きは、これからますます盛んになるでしょう。

議員辞職した宮崎氏は、当分は家事と育児に専念するのでしょうか。妻の金子議員は夫を許すのか。

産後はホルモンのバランスが乱れて、精神的にも肉体的にもしんどい時期。彼女の心中は察するに余りあります。「そんな男捨てちまえ!」とか「離婚してシングルマザー議員で売ればいい!」などの声もある中、今後のふたりに注目しています。

●小島慶子(Kojima Keiko)タレント、エッセイスト。TBSの社員だった頃には、労働組合の副委員長として育児休業制度の改善などに携わった。不規則な激務が当たり前のTV業界でも仕事と生活の両立は大きな課題