事実と異なる経歴で仕事をしたら信用を失うのは当然です 事実と異なる経歴で仕事をしたら信用を失うのは当然です

経営コンサルタントでコメンテーターのショーン・マクアードル川上氏の学歴など経歴詐称疑惑が『週刊文春』で報じられ、ショーン氏は予定されていた新番組への出演自粛やレギュラー出演中の番組に対し降板を申し入れる事態に追い込まれた…。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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古今東西、調べればすぐにバレるような嘘を平気でつく人がいます。彼らは噓を事実だと思い込んでいるのか、世間をなめているのか、わかっていてもやめられないのか…人の心は複雑ですね。

ショーンさんとは2度、仕事をしたことがあります。物腰の柔らかい、まじめで礼儀正しい人という印象でした。今回の一件がミスだったのか、意図的な詐称だったのかはわからないけれど、事実と異なる経歴で仕事をしたら信用を失うのは当然です。

「ハーバード卒でもクオーターでもなくて、整形だった!」って書かれようはもう、詐称のデパート状態。でも、ええと…整形はいいんじゃないか?

もちろん、身元を偽るための整形はいかんですよ! ただ、鼻を高くしたいとか、美形になりたいと思うのは、本人の自由。そんなこと言ったら世界中の芸能界が整形ポリスに取り締まられちゃいます。芸能人じゃなくたって、お手入れ感覚で整形してる人もたくさんいますからね。

誰だって、身の丈の自分を受け入れるのはしんどいもの。だからこそ、今回の経歴詐称騒動は、なんだか悲しく切ない後味を残したのでした。

小島慶子(Kojima Keiko) タレント、エッセイスト。月に一度、日本に戻るたびに、美容皮膚科のかかりつけ医に顔中にレーザーを当ててシミの元を焼き払ってもらっている。輪ゴムで思いっきりはじかれる感じで、結構な苦行