浜岡原発が運転再開するための条件である津波対策の「防波壁」だが… 浜岡原発が運転再開するための条件である津波対策の「防波壁」だが…

4月1日の正午近く、関西・近畿・中部地方の広い地域で震度3~4の地震が発生した。

気象庁によると震源は紀伊半島東側約50kmの三重県南東沖海底下29kmで、マグニチュードは6.5。最も震源に近かった紀伊半島南端・串本町の漁業関係者に当時の様子を聞くと、「この辺りの震度は3で、身の危険を感じるほどの揺れ方ではなかった。でも地面がゆらゆら動く状態が2分間以上も続き、これまで経験したことのない変わった地震だと思いました」

過去の研究データを見ると、この地域の海底での地震発生例は少ない。しかし、1360年11月には、この震源域で推定M7.5~8.0の大地震が起き、紀伊半島東岸をはじめ、遠州灘(静岡)、四国、瀬戸内海にまで大津波が押し寄せ、多くの犠牲者が出たという。

そしてその約半年後、1361年6月には、紀伊半島南西約100kmの海底震源で、さらに大きい推定M8.5の巨大地震が発生している。このように三重南東沖地震は「東海・東南海・南海トラフ型」巨大地震の引き金になる可能性があるのだが、注目すべきはこのトラフ型地震が連動発生する危険性があることだ。(トラフとは、海底の細長く伸びた凸所のこと。深さ6000mを超えると、海溝と呼ばれる)

例えば、1854年12月23日の「安政東海地震」(M8.4)は翌日の「安政南海地震」(M8.4)を引き起こしているし、1944年の「東南海地震」(M7.9)は1946年の「南海地震」(M8.0)につながっている。

トラフ型地震はプレート境界付近で起こる大きな地震で、東日本大震災の地震もこのタイプだった。この地震によって日本周辺のプレートに新たなひずみが生まれ、今度は東海・東南海・南海地震の危険が迫っているといわれている。だからこそ今回の三重沖地震は無視できないのだ。

日本列島の地震・火山活動を細かく分析してきた木村政昭博士(琉球大学名誉教授)は、次のように説明する。

「今回の三重南東沖の海底地震は、実は東へ300km以上も離れた伊豆~小笠原諸島の地震・火山活動と深く関係しています。フィリピン海プレートの東側で強まっている太平洋プレートの圧力の影響が、フィリピン海プレート西側のユーラシアプレートとの境界面にまで及んできたと考えられるのです。

従って東海・東南海・南海トラフ型地震だけでなく、伊豆~小笠原海域を震源とする巨大地震や噴火活動にも同時に警戒すべきでしょう。2013年から続いてきた小笠原・西之島新島の火山活動はだいぶ落ち着いてきましたが、その一方、首都圏に近い伊豆大島三原山でも30年ぶりに本格的な噴火活動が再開する恐れがあります」

浜岡原発はこんな薄い壁で本当に大丈夫なのか?

事実、前述の三重南東沖地震が起きた1300年代の三原山では、「御神火」信仰を生み出した大規模なマグマ噴火が長期間にわたって継続していた記録がある。また今回の地震でも、翌4月2日には八丈島東方海域、4月5日には伊豆大島・伊豆半島中間部の浅い海域で地震が起きている。

やはり今、日本列島の脇腹へ潜り込むフィリピン海プレート内部では、大地震と火山噴火が起きやすい状態になっているようだ。

その大地震と火山噴火が起こった場合、もっとも被害が懸念される場所がある。遠州灘に面した静岡県御前崎市の「中部電力・浜岡原発」だ。

現在、浜岡原発には運転再開の条件として津波対策の「防波壁」が築かれている。しかし現地を取材してみると、その実態は「こんな薄い壁で本当に大丈夫なのか?」と言わざるを得ないものであることが判明した。

果たして、浜岡原発の災害対策の実態とは? 発売中の『週刊プレイボーイ』17号で、詳しく検証しているので、ぜひそちらでお読みいただきたい。

(取材・文/有賀 訓 撮影/五十嵐和博)

■週刊プレイボーイ17号(4月11日発売)「南海トラフ地震Xデー 浜岡原発がヤバすぎる!!」より