熊本の復興の役に立ちたいが、ボランティア活動などはハードルが高い。そんな方のために、熊本産のグルメを積極的に消費して応援する〝食べる復興支援〟をご紹介!
***
創業61年、熊本ラーメンの老舗「桂花(けいか)ラーメン」にも〝食べる復興支援〟を実践する客が訪れているそう。桂花拉麺株式会社の取締役、小林史子さんが言う。
「地震の翌日から都内店舗を中心に『頑張ってね。また来るよ』と来店される方が増え、励まされています。実は当初、熊本県内の物流がほぼストップしていたので食材が運べず、県外店舗の営業を続けるのは難しいかもしれないと、覚悟しました。ですが、こんな時こそより多くの方に食べてもらいたいと、熊本店舗の統括責任者が自ら食材を輸送する体制を整えました」
現在、熊本県内の店舗は「炊き出し」を行なっているため営業停止中だが、県外の店舗は通常営業を死守している。
「当店の一番人気『太肉麺(ターローメン)』は、トロトロ豚角煮と茎わかめの相性も抜群でオススメです。もちろん、熊本にはラーメン以外にもおいしい食べ物がたくさんあるので、ぜひ味わってほしいです」
都内にある7店舗の「桂花ラーメン」は元気に営業中。新宿ふぁんてん店店長の斉藤竜平さんも、
「7割ぐらいのお客さんが『太肉麺』を頼まれますね。当店は朝4時から営業していますので、朝食にもぜひどうぞ」
ということで、イチオシの「熊本グルメ」を、同県の出身者にも紹介してもらおう。まずは熊本市出身の書道家、武田双雲(そううん)氏から。
「もはや県民の〝ソウルフード〟ともいえる、フタバのふりかけ『御飯の友』ですね。砕いたイリコが醸し出す素朴な磯の風味はヤミツキになりますよ。マヨネーズと混ぜても合うハイブリッドぶりです。僕は上京後も買いだめしていますし、海外にも必ず持参します。意外と外国人ウケもよかったりするんですよ」
武田双雲氏が大絶賛する、その「御飯の友」だが、オススメする食べ方はこうだ。
「白飯にマヨネーズをお好みでかけ、その上に『御飯の友』をまんべんなくまぶし、さらに醤油を2、3滴たらすと最高のオカズ飯の完成です!」
芸人のヒロシ氏がオススメするのは…
続いて、荒尾市出身で現在は熊本市内で復旧活動に携わっている芸人のヒロシ氏。
「『いきなり団子』です。さつま芋とあんこを小麦粉で包んだだけの地味な和菓子ですが、僕が子供の頃はたまに親が食べさせてくれるご褒美だったんですよ。なので、今でもテンション上がります。
熊本県と福岡県限定のチェーンですが、『おべんとうのヒライ』の名物『ちくわサラダ』もぜひ。ポテトサラダをちくわに詰めて揚げたジャンクな総菜ですが、おかずにもおやつにもイケます…って、なんだか懐かしい気持ちでいっぱいですが、故郷が早く元気を取り戻せるよう、今は復旧活動に集中しますね!」
東京・銀座にある熊本県のアンテナショップ「銀座熊本館」にもオススメを聞いてみた。同店では約1千種の特産品を扱っている。くまもとセールス課長、堀敦博さんが話す。
「売れ筋上位3つは、『いきなり団子』、酒のつまみに最高な『からしれんこん』、デコポン果汁100%ジュース『デコポンストレート』ですね。
また、熊本の中華料理屋の定番『太平燕(タイピーエン)』もオススメ。野菜たっぷりのヘルシーな春雨スープです。それから、棒ラーメン『五木のアベックラーメン』も昔ながらの味わいで安心しますね」
皆さんもぜひ〝食べる復興支援〟に取り組んでみては?
(取材・文・撮影/河合桃子)
■発売中の『週刊プレイボーイ』GW合併19・20号では“がんばろう熊本”特集第1弾で復興価格で奮闘する現地の風俗店も突撃ルポで紹介!