世の中の“松坂世代サラリーマン”はどのように職場で存在感を示すべく頑張っているのか?(イラスト/福田嗣朗)

野球界では1980年生まれのプロ野球選手に逸材が多く、彼らが高卒で球界入りすると、特に活躍が顕著だった松坂大輔の名を取って、マスコミは「松坂世代」と呼ぶようになった。

それから17年。多くの松坂世代の選手がユニフォームを脱ぎ、松坂本人も岐路に立たされているようだが…。

「実は、彼らだけでなく職場での“松坂世代サラリーマン”も今が勝負どきなんです!」

そう語るのは、世代の傾向に詳しいマーケティングライター・牛窪恵氏だ。

35歳といえば一般社会ではこれからという年齢だし、芸能界の同い年にはお笑いタレントであり芥川賞作家の又吉直樹、女優の広末涼子、男性アイドルグループ「嵐」の大野智などなど、さらなる活躍を期待される名前も並んでいるが…。

「そもそも『35歳』は係長や課長などの役職に就き、中間管理職として上司・部下両方のケアに苦労する年齢。こと『松坂世代』に関しては『仕事してなんぼ』と大量に仕事を振ってくる“バブル世代上司”と、定時に退社する“ゆとり世代部下”に挟まれ、一段とツラい状況なんです」

だからこそ、踏ん張りどきでもあるという。

「出世させるべき人材かどうかを本格的に判断される時期であることを忘れてはいけません。また、今の会社に骨をうずめる気がなければ、早めに転職を考える必要もあります。転職は30代後半までという暗黙の了解があるのでリミットは迫っています」

“松坂世代サラリーマン”の頑張り方とは?

では、世の中の“松坂世代サラリーマン”は、どのように職場で存在感を示すべく頑張っているのか? 大手都市銀行に勤める田中康之氏(仮名・35歳)から話を聞いた。

中間管理職デビューした途端に会議や雑務が増えてキャパオーバー!というのは“35歳あるある”のひとつ。そんな中、田中氏は仕事量を最低限に抑えながらも50代の部長から「おまえは出世する」とお墨付きをもらっているという。

「自分が最も重要だと感じたのは部署を超えた“横のつながり”をつくり、そこで得た情報を上司に伝えるようにすること。上司への忠誠心も表現できて、アンテナの高さも買われます。縦を制するにはまずは横から! これは鉄則です」

『週刊プレイボーイ』21号(5月9日発売)ではこの他にも「35歳の岐路」をたくましく生きる男性たちのエピソードから出世・転職を成功させるワザを大研究! 世代ど真ん中の人はもちろん、これから35歳を迎える人も、ぜひご覧いただきたい。

(取材・文/黄 孟志)