事件現場のライブハウス前(東京・小金井市)。容疑者はここで2、3時間、出待ちしていたとみられている

5月21日、アイドルやシンガー・ソングライターとして活動をしていた大学生の冨田真由さん(20歳)が、ライブ会場の前でファンと思われる男に首や胸など20ヵ所以上をメッタ刺しにされる残忍な事件が起きた。

容疑者の男は当初、冨田さんにプレゼントを贈ったり、ツイッターなどで好意を示す書き込みをしていたが、相手にされないことに激怒。次第にツイッターの書き込みは悪口に変わり、その後も執拗(しつよう)な嫌がらせを繰り返していたという。

ある現役のアイドルが語る。

「ツイッター上で『愛しているよ』とか『早く会いたい』とか書き込むのは大抵がヤバイ人。誰もが見られるSNSにこういう発言をするのは、周りが見えていない証拠。こういう人はその後なんらかのトラブルを起こすことが多いと、周りのアイドルでも警戒しているコは多いですね」(Aさん・20歳)

常時、マネジャーが同行する人気アイドルならともかく、冨田さんのように個人で活動するアイドルの多くは、自分の身は自分で守らなければならないことがほとんど。今回の事件を受けて「明日はわが身」と怯(おび)えるアイドルたちは多いという。

別の現役アイドルが語る。

「私の周りのアイドルにも、かなりの動揺が広がってます。ライブ中に急に『私をひとりの女と見ないで!』と言いだすコや、『アイドルはみんなのものだから、決して独占しないでください』とツイートするコもいました。事件後すぐに活動休止を決めたグループもあり、正直、私も今後どうしようかとすごく悩んでいます」(Bさん・20歳)

プレゼントの中から盗聴器が…!?

実際、今回の容疑者のような“ファンの行きすぎた言動”に恐怖を感じたり、ヒヤッとしたアイドルは少なくないという。

「ライブ会場などで活動するアイドルのツイッター利用率はほぼ100%。ライブの情報だけでなく、自分が今、何をしてるのかを毎日小まめにつぶやいています。時々、忙しくて書き込めない日もあるんですが、そうすると『今日、ツイートしてないけど、何してたの?』とか『昨日の夜、新宿にいたよね? 見たよ。その後、何も書き込んでないみたいだけど、どうしたの?』などとリプライしてくる人がいるんです。なんだかずっと監視されているようでゾッとします」(Cさん・22歳)

「ファンの方から大好きなぬいぐるみのプレゼントをもらったんです。でも、よく見たらお尻のところの縫い目がゆがんでいたんで、『変だな』と思って縫い目を開いてみたら、中から盗聴器が出てきたことがありました。もし、見つけていなかったらと思うとゾッとしますが、実はその人、今も私のライブに毎回来ているんですよね…」(Dさん・19歳)

さらに、今回の事件の容疑者も含め、推しのアイドルを“独占”しようとする一部の危ういファンにはある共通点が…。この続きは、発売中の『週刊プレイボーイ』24号「現役アイドルたちが語った“私たちがヒヤッとした瞬間”」でお読みいただけます。

(取材・文/本誌ニュース班)