このところ、関東地方で気になる“群発地震”が続いている。6月から7月にかけて茨城県南部を中心に震度4から5の直下型地震が5回発生したのだ。
群発地震が続く常総市、つくば市、守谷市、龍ケ崎市などの茨城県南部地域は昔から“地震の巣”として知られてきたが、それでもM5以上の強い揺れがこれほど短期間に連続して起きることはほとんどなかった。常総市を取材してみても、多くの住民が「東日本大震災以来の恐怖を感じた」「揺れ方が異様だった」と言う。
関東の地質と地震発生のメカニズムに詳しい地球物理学者の島村英紀博士(武蔵野学院大学特任教授)は「これまでの関東地方の地震の歴史をふり返ると、今回の茨城県南部の群発地震には大きな意味があります」と指摘する。
この1世紀ほどは大きな地震がなかった地域だが、5年前の東日本大震災を境に地下の基盤岩が大きく動き、地震活動が再開した可能性があるためだ。
また海洋地質学者・地震学者の木村政昭博士(琉球大学名誉教授)は、この数年間の日本列島の地殻変動にも注目する。
「気になるのが、茨城県南部の地震の巣を中心に時計回りに回転する地殻変動が生じていること。首都圏が渦巻き状に動いているということは、そこに巨大な歪(ゆが)みが生じているはずです」
メイン画像の図1を見てほしい。東北は大きく東に移動し、東海から西は西、首都圏は時計回りに渦巻き状に地殻が変動していることがわかる。この複雑な動きが、今回の茨城から千葉、そして伊豆大島へとつながる群発地震と無関係のはずはない。
「超巨大災害が待ち受けているように思えて仕方がありません」と木村博士は危惧する。
1923年に「関東大震災」(M7.9~8.0)が発生したときは、その数ヵ月前に茨城県や千葉県で最大震度4の地震が起こった。今回は果たして…?
8月1日(月)発売の『週刊プレイボーイ』33号では、さらに詳しく地震の専門家に意見を聞き、東京大地震の可能性を探っている。記事の続きはぜひ本誌でご覧いただきたい。
(取材/有賀 訓 村上隆保)
■『週刊プレイボーイ』33号「茨城南部を中心に日本の地盤がねじれ始めた『東京震度7』カウントダウン!」より