東京・秋葉原の某大型電気店。ポケストップが設定されている店は、こうした看板を出すことで一層の集客を狙っている

『ポケモンGO』のアプリ配信がスタートしたのは7月22日のこと。以来、日本全国では様々なポケモン珍騒動が起きている。

全国から観光客を呼び寄せようと、自治体ぐるみで動き出したのは鳥取県。平井伸治知事は、鳥取砂丘を「スナホ・ゲーム解放区」にすると宣言した。ITジャーナリストの三上洋(よう)氏が言う。

「鳥取砂丘には、砂の移動状況を調べるための杭が100本以上打たれています。実は、この杭に『ポケストップ』が設定されていて、広大な砂丘内で誰に迷惑をかけることもなく、思う存分ゲームが楽しめると話題になりました。『ポケストップ』を利用して観光誘致をする自治体は鳥取県が初のケースでしょう」

ちなみに「ポケストップ」とは、ポケモンをゲットするためのモンスターボールなどゲームに不可欠なアイテムが手に入るスポットのこと。街中ではそれなりの距離を移動するなど手間や時間が必要だが、鳥取砂丘に行けば一気に100ヵ所の「ポケストップ」からアイテムがもらえるのだ。夏休み期間中、鳥取砂丘は多くのポケモントレーナーで埋め尽くされることは確実だ。

スケールは少し小さくなるが、民間も商魂たくましい。東京・秋葉原のあるショップの広報担当がこう声を弾ませる。

「お店が偶然、『ポケストップ』になっていたんです。そこで試しにツイッターで『レベル5に達した人は画面を見せると、商品5%引きにします』とつぶやいてみたところ、週末の土日だけでスマホ片手のお客さんが40人近くも来店して商品を買ってくれたんです。ウハウハです」

ホテルも負けていない。「ポケストップに加え、30分間ポケモンの出現率がアップする貴重アイテム「ルアーモジュール」を使い、集客に励む店が出現している。前出の三上氏が苦笑する。

「つい最近も都内の某ホテルが『ルアーモジュール使用中。今の時間、ポケモンがぐっと出現しやすくなっています』というポスターをエントランスに張り出して、大々的に集客していました(笑)」

ちなみに「ポケストップ」は公園や名所、史跡だけでなく、銅像や看板などモニュメント的だったりアートっぽいものに設定されることが多い。

レアなモンスターの目撃情報を告知する電気店も。これを見て集まってきた客にバッテリーを買わせるとは商魂たくましい

ポケモンの経済効果は数千億円規模!?

また、『ポケモンGO』がすごいのは、当人も知らぬ間に思わぬ騒動に巻き込まれるケースがあるということ。都内にある神社の関係者がこう驚く。

「知らない間に『ポケストップ』になっていたようで、ここ数日、普段は人影もまばらなこの神社に大勢の人がやって来るようになったんです。びっくりしたのは、そのひとりがルアーモジュールを使用したときのこと。わずか30分ほどの間に100人以上の『ポケモンGO』プレイヤーが殺到したんです。迷惑かって? とんでもない。ほとんどの人がお賽銭(さいせん)を入れてくれました。ポケモンさまさまですよ」

ピカチュウが出現した東京・新宿御苑(ぎょえん)内のポイントは黒山の人だかり。公園脇の道路もピカチュウをゲットしようと狙う路上駐車の車で埋め尽くされ、ついにパトカーが出動する騒ぎになったのだとか。前出の三上氏が言う。

「『ポケモンGO』はゲームをするため人が外に出てくるので、カフェでお茶したり、靴を新しく買ったりと、様々な消費が伴う。この夏休みだけでその経済効果は数千億円規模になると予測しています」

『ポケモンGO』がもたらす「ポケノミクス」は、アベノミクスより効果がありそうだ。

(取材・文/本誌ニュース班)