2015年1月の高相容疑者。薬物依存の恐怖も語っていたが、脱ドラッグへの覚悟も感じられただけに残念だ 2015年1月の高相容疑者。薬物依存の恐怖も語っていたが、脱ドラッグへの覚悟も感じられただけに残念だ

有名人の薬物による再逮捕者がまた相次いでいる。

11月18日には、タレントの酒井法子氏の元夫・高相祐一容疑者(2009年、12年逮捕)、そして28日に「CHAGE and ASKA」のASKA容疑者(14年逮捕)がそれぞれ医薬品医療機器法違反(危険ドラッグ所持)、覚せい剤取締法違反で逮捕された。

『週刊プレイボーイ』本誌では2015年1月19日発売号にて、2度目の逮捕後、ダルクや精神化病院での通院を経た高相容疑者の独占インタビューを掲載した。

(参照記事【前編】『元妻・のりピーへの胸中を独占懺悔、高相祐一「正月に息子と一緒に会った」』【後編】『薬物治療生活でのASKAとの出会い、のりピー元夫・高相祐一が脱ドラッグの苦悩を告白』

記事の中で、「またドラッグをやりたくならないか?」との質問に対し、「何もやることがなくなると“合法”ドラッグをやりたくなる」と発言していたのが印象的だ。

当時から、職探しをしては途方に暮れ、合法ドラッグにハマるという行動を繰り返していると吐露していた高相氏。今回の逮捕時の報道でも危険ドラッグを扱うマンションに出入りしていたところを発見されたと言われている。この発言から邪推しても、3度目の逮捕は時間の問題だったのかもしれない。

ちなみに、2014年夏には1度目の逮捕後、薬物治療で同じダルクにいたASKA容疑者が高相容疑者と出会っている。「ASKAさんとはどんな話を?」という記者の質問に「初対面で『昔、のりピーの曲をいくつか作曲したんだよね』と言われて、『元嫁がお世話になりました』なんて挨拶したりしてね(笑)。すぐに仲良くなれましたね。」と振り返っている。

高相容疑者、ASKA容疑者とともに同じダルクで治療を受けていた作家の石丸元章(げんしょう)氏はこう語る。

「いやあ、入院仲間がほぼ同時に捕まって、本当にショックですよ。薬物関連ではワケのわからないトラブルが起こりがちなんですが、奇妙なシンクロニシティでとしか言いようがありません。危険ドラッグと覚せい剤という違いはあるけれど、やっぱり薬物依存は怖ろしいものです。

自分自身、(薬物をやめて)20年以上経っていますが、理性では手を出さないと決めていますけど、それとは別の回路で依存衝動がまったく起きないわけではありませんからね。このところ、高相さんとは電話で話すくらいの付き合いでしたが、サーフィンを再開した()と聞いていたので、大丈夫かと思っていたのですが…」

※高相容疑者はサーフィン仲間から進められ、薬物依存が始まったと発言している

高相容疑者がドラッグの誘惑に駆られた時、それに歯止めをかけていたのが息子の存在である。インタビューの最後では「(3月に)子供の中学の卒業式があるんですが、胸を張って出席できるような父親になりたいです」と語っていた。

「大人の事情で息子の卒業式には出席できなかったそうです。それどころか、会うこともままならなくなっているんです。薬物依存から逃れるのには家族が大きな支えになるんですよ。自分自身、子供のことを考えることで、薬物から抜け出すことができたと思っています。

もちろん、再犯の言い訳にはなりませんけれど、最愛の息子と会えないことで、心の隙間が埋められなくなってしまったような気がします。あの日、卒業式に出席したいと話していた高相さんの笑顔はとってもチャーミングだった。また、ああいう笑顔が見たいと願います」(石丸氏)

自分自身の身体だけでなく、大事な家族との関係性も壊してしまう薬物。高相、ASKAの両容疑者にはここから再び薬物依存を克服し、再起してほしいものだが…。

(取材・文/週プレNEWS編集部 取材協力/羽柴重文 撮影/関純一)