米国中央情報局(CIA)は1月17日、機密解除されていた約1300万ページにわたる文書を、オンライン上に公開した。
ここに、超能力者として日本でも人気のあったユリ・ゲラー氏の遠隔透視(リモートビューイング)実験の報告も含まれていたのだ。
そして、文書は「ユリ・ゲラーは透視実験に成功した。彼は超能力があることを明確に示したと考えている」と結論づけられていた。なんと、この実験を行なった米国のスタンフォード研究所やそれをサポートしたCIAが、ユリ・ゲラーの超能力を認めていたのだ!
では、このとき何が行なわれていたのか。1973年に実施された遠隔透視実験の様子を簡単にふり返ってみよう。
―実験初日、ユリ・ゲラーは二重の壁に囲まれた小さな密室に入れられた。そして、別室で係官が辞書からランダムに言葉を選び、その言葉から連想するものを描き、描いた絵を透視するという実験を行なった。係官が最初に選んだのは「ヒューズ(導火線)」。そして、描いたものは「爆竹」。
ゲラーは最初「丸いシリンダー状で、音が出るもの」と言い、ドラムのような絵などを描いた。
2度目の実験では「バンチ(房)」が選ばれ、係官は「ブドウ」の絵を描いた。
ゲラーは「水が滴っている。紫色の丸。わかった!」と言ってブドウを描き始めた。しかも、ひと房24粒という数も正確に当てていた。
別の日は、やはり別室で係官がコンピューターを使って「たこ」の絵を描いた。するとゲラーも同じような絵を描いた。今度は描いたものが画面に映らないように、描いた後モニターを消した。描かれたのは「ハートに矢が突き刺さった絵」だった。するとゲラーは、「四角と矢」や「スーツケースに入った矢」を描いた。
この実験結果から報告書には「ゲラーは最低でも人には見えていないコンピューターの映像が見えているか、テレパシーで人間の脳を読んでいるのではないかと考えられる」と記されている。
こうした超能力実験や研究は「スターゲート・プロジェクト」と呼ばれている。
2月6日発売の『週刊プレイボーイ』8号「CIAは本気で超能力を信じてた!!」では、このスターゲート・プロジェクトの始まり、そして現在の事情について詳細にリポート。そちらもお読みいただきたい。ユリ・ゲラーを日本に呼んだ矢追純一のインタビューも掲載!
(取材・文/村上隆保)