タクシー離れとUberという黒船で、タクシー業界は変わる?

都内でタクシー初乗り運賃が410円に引き下げられた。

「儲けが減る」という声もあるなか、『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が前編記事に続き、日本のタクシー業界のあり方について議論する。

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ひろ んで、今回のテーマの初乗り運賃の値下げですけど、堀江さんはどう思います?

ホリ 結局はタクシー不況が続くと思うな。

ひろ 僕的には、施策としては悪くないと思ってるんですよ。客を増やしたければ値下げするのは当然のことですし、値下げによってタクシーに乗るハードルは下がる。ソーシャルゲームみたいに、無料で始められるけど途中からは課金したくなるみたいなものかなと。

ホリ そもそも、タクシーの運賃を自由に決められないのがおかしいんだよ。

ひろ ですね。でも仮に自由化になったとしても、別の既得権益をつくりそうですけどね。例えば、都内のタクシーは成田空港には行けるけど、帰りに成田空港からお客さんを拾って23区内以外に帰ってきちゃいけないみたいなルールがあるじゃないですか。そういうヘンなルールをどこかに残したりするんじゃないかと。

ホリ どうしようもないよね。

ひろ とはいっても、タクシー業界にとって厳しい時代になってますからね。タクシーに乗らない若い人が増えて、そのまま年を重ねるでしょうし、終電を逃してもマンガ喫茶などで時間を潰す。そもそも、終電過ぎまで飲むケースもそこまでないでしょうし。

ホリ だからこそ、ヘンな規制を取り払って業界全体で競争をして、サービスのクオリティを上げていくべきなのにね。

運転手を若くしたり、女性の乗務員を増やすのもいい

ひろ 普通にサービスを良くするだけでも効果は見込めますよね。だって、接客業で平均年齢があそこまで高い業界って他にないと思うんですよ。運転手を若くしたり、女性の乗務員を増やすのもいいでしょうし、Uberみたいに個人にお客さんがつくようにしたり、ポイント制にしてみたりとか、やれることはいっぱいある。

ホリ 今は寡占市場だし、それなりに儲かってるから尻に火はついてないんだろうけどね。

ひろ タクシー離れとUberという黒船が来たので、業界内で変わろうとしてる会社も出てきてはいるようですけどね。

ホリ 日本交通とかは、スピード感を持ってアクティブにやってるみたいだけどね。そんな感じで、他のところも頑張ってほしい。とりあえず、カーナビ使えないのと臭いタクシーだけは本当に勘弁してほしいわ。

ひろ それ、まだ言いますか(笑)。

(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)