3月8日に発売されたマクドナルドの期間限定商品「ギガベーコンてりたま」(マクドナルド史上最長の約20cmのベーコンが入っている)と「てりたまマフィン」(朝マック初登場)が話題になっている。
「秋の『月見バーガー』、冬の『グラコロ』、そして春の『てりたま』は、毎年登場している定番の期間限定商品です。ただ、昨年の春あたりから期間限定商品の傾向が少し変わってきました。例えばビッグマックの1.3倍の重量の『グランドビッグマック』やさらにその2倍のビーフパティ4枚が入った『ギガビッグマック』、夏のリオ五輪時には『必勝バーガー』など、インパクトが強く、高めの価格で、その分ボリュームとおいしさを追求した商品を相次ぎヒットさせています」(ハンバーガー評論家・松原好秀氏)
フードジャーナリストのはんつ遠藤氏は、これらの「フォトジェニックさ」にも注目する。
「今は有名ブロガーだけでなく、一般の人たちもインスタグラムなどSNSで拡散することが多い。そのため“大きい”や“派手”など写真に撮って目立つことが重要になっています。今回も“長い”ベーコンが注目されています。マクドナルドは今年に入って、そうした見せ方がさらに充実してきました」
2015年に純損益約349億円の赤字だったマクドナルドが、昨年約53億円の黒字にV字回復したのは、こうした戦略もあったからだ。だからといって、うかうかしていられない。
「3月24日には、米『TIME』誌で“史上最も影響力のある17のバーガー”に選ばれた『ウマミバーガー』が東京・青山に、また31日には100万通り以上のカスタムオーダーができる『ザ・カウンター』が東京・六本木にオープンします。さらに4月には『カールスジュニア』3号店が東京・自由が丘にオープン予定。来週末から“ハンバーガー戦争”が始まります」(前出・松原氏)
マックはそのために先に仕掛けたとも。
「相手が上陸してきた時期に新商品をぶつけるとどうしてもインパクトが薄くなります。そこで話題性を先に確保しておいて相手が登場した頃には、すでにマックの新商品が浸透しているという作戦です。特に『てりたまマフィン』は朝の商品。その時間帯の消費者をマックがすべて取り込もうとしているんです」(はんつ氏)
松原氏は、マックは4月以降にさらにこんな新商品で勝負すると予想する。
「2月の期間限定商品は『チキンタツタ』でした。3月のてりたまはポークの商品。残るはビーフです。100%ビーフの限定商品を繰り出し、額の上では倍以上も違う『ウマミ』や『カウンター』のバーガーに安さと手軽さで対抗するのではないでしょうか」
生き残るバーガーはどれだ。