働き盛りの人々に必要なのは休む時間です

経済産業省が経団連などと連携し、月末金曜日の終業時間を午後3時に早めるよう企業に呼びかける「プレミアムフライデー」が先月から全国的に実施された。「消費の拡大」と「働き方改革」というふたつの狙いがあるというが……。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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午後3時には仕事を終えて、お買い物をしたり外食したりしてね! ……いいえ、働き盛りの人々に必要なのは、お買い物タイムでもなく飲み会でもありません。休む時間です。

働き方改革といっても、残業時間の上限はまだ過労死レベル(80時間)を軽く超える100時間未満。その上、恩着せがましく、月末金曜のプレミアムフライデーでごまかして、消費までしろと?

「だったら毎日ちゃんと寝かせろや。人間らしく生きさせろ。へとへとの過労死寸前で、何がレジャーだよ。ワンオペ育児状態の妻はとっとと夫に帰ってきてほしいし、俺だって少ないお小遣いから同僚と飲みに行くより、帰って子供の顔見たいわ」

って人も多いはず。

消費を拡大したいなら、2世代かけても使い切れないほどの財産をため込んでいる一部の富裕高齢者世帯に使ってもらえばいいのでは? 高級品を高齢者限定セールにでもして買ってもらってください。ただでさえ学費などで出費が多い上に残業にあえぐ現役世代ではなく、莫大(ばくだい)な資産を抱えたゆとりのある人たちにこそ、ひと肌脱いでいただきたいものです。

●小島慶子(Kojima Keiko)タレント、エッセイスト。会社員を辞めてもうすぐ7年。テレビ局は残業が当たり前、休んでないのが自慢、という世界だった。しかし最近は少しずつ変わりつつあるとのこと。メディア企業こそ率先して改革を