「ED403ほしい方売ります! 詳しくはこちらをご覧下さい→」
3月2日、岳南(がくなん)電車(静岡県)のホームページに掲載された、ミニコミ誌の投稿のような一文に全国の鉄オタが色めき立った。中古とはいえ電気機関車が一般に売りに出されるのは、たぶん初のこと。
ED403は1966年生まれの電気機関車。その形がレトロで旧国鉄を思い出させることから、鉄オタの間で人気の車両だったが、2015年に廃車に。なぜ売ることになったのか、岳南電車の井上昌久氏に話を聞いた。
「実はED403は故障して走れないんです。ウチには同型のED402もあって、まだ動く。だったら403は大切にしてくれる方に譲ろうとなりました」
気になる値段だが、ホームページには「要相談」とある。いったい、いくらなんですか?
「まあ高いほうがいいに決まってますが……それより今の形で保存してもらえるところを優先したいです」(井上氏)
具体的な金額は濁されてしまったので勝手に推測してみる。通常、廃車は解体され、鉄くずとして売却される。ED403は約40t。鉄くず価格で考えると1t当たり3万円ぐらいなので、およそ120万円? これならちょっと頑張れば買えるかも!?
せっかくなら買ったED403を設置する最寄り駅まで、別の機関車に引っ張ってきてもらいたいところだが。
「今の状態だと、たぶんJR線はもちろん、弊社線でも走行不可能かと思います。運ぶには陸送でトレーラーが必要になります」(井上氏)
では輸送費はいくらかかるのか? 昨年、北海道で札幌市から北斗市まで、寝台車1両を輸送するために行なわれたクラウドファンディングの目標金額を参考にすると1千万円……うーん。
実際に食堂車を購入し、埼玉県の川口市にレストラン「グランシャリオ」をオープンさせた嶋田代表が話す。
「購入した後も何かとメンテナンス費用がかかります。うちは食堂だけでは厳しいので、維持管理費として乗車券(大人500円)を買ってもらっています」
車両だけならともかく、輸送やメンテナンスにけっこうなお金がかかりそう。ED403の運命やいかに?