銃剣道の競技人口は3万人超え! 実は日本で最新の武道!!

各種報道で話題となっている“銃剣道”。旧日本軍を連想させる前時代的なビジュアルだけでなく、謎が多すぎな銃剣道とはいったい!?

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3月31日に文科省が公示した「中学校学習指導要領」で、保健体育の授業で習う武道の選択肢として“銃剣道”が明記された。これにより2021年より銃剣道が中学の授業で扱えることになったのだが……。

当然、各メディアや、ツイッターをはじめとするネット上では【軍靴の音がー!!】という感じで不快感が強め。確かに、着剣された小銃を模した木銃(もくじゅう)を持ち、対戦相手を突く。その姿が旧日本軍の戦闘スタイルをイメージさせがちな銃剣道だが、果たしてその実態は?

全日本銃剣道連盟の鈴木健副会長に聞いてみました。

鈴木「1884年、フランスの銃剣術が日本に導入されました。しかし、古くから槍術(そうじゅつ)に親しんだ日本人には不向きでした。そこで日本式の銃剣術の研究がスタートしたのです」

―完全に軍用ですよね。その後、どう発展を?

鈴木「1894年に江戸時代から続く剣術の流派である津田一伝流を取り入れ、日本独自の銃剣術が確立します。その後、日清・日露戦争の実戦経験から新たな技を取り入れ、1940年に初めて『銃剣道』と呼称されました」

―つ・ま・り! 銃剣術と銃剣道は別モノってことなのでしょうか?

鈴木「はい。戦前の銃剣術は兵士のための戦闘技術。一方、戦後の銃剣道は【柔道・剣道・相撲・空手道・なぎなた・弓道・合気道・少林寺拳法】と同じで日本武道協議会が定める武道になります」

―その中では、銃剣道は歴史が浅めですよね。

鈴木「変な言い方ですが、日本初の和魂洋才の武道なのです(笑)。銃剣術と銃剣道を混同されることが多く、批判的な報道がされているのでしょう。でも、こうして注目され、まずは銃剣道の認知が高まればと思います」

『週刊プレイボーイ』18号「銃剣道の最前線」では、自民党・佐藤正久議員、元米海兵隊、元米陸軍大尉、元傭兵に聞いた銃剣事情を掲載。是非お読み下さい。

(取材・文/直井裕太 取材協力/小峯隆生)