ゴールデンウイークに出かけた旅先のホテルで妙な注意書きを見かけた…そんな記憶がある人も少なくないのでは?
ここ数年、格安移動手段の発達やインバウンドの影響で、各地のホテルにこれまでは来なかったような“トンデモ客”が出現し、いろんな「注意書き」が急増しているというのだ!
この件について、『365日365ホテル』(マガジンハウス)の著者でホテル評論家の瀧澤信秋氏はこう語る。
「本格的な欧米ホテル文化が訪れた東京オリンピック(1964年)の頃は、館内に『客室には土足のまま入りましょう』『エレベーターは乗り物です』などと、今では考えられないような注意書きが配られたり張られたといいます。ホテルの『注意書き』には、そこに訪れる客の姿や時代背景が映し出されていてとても興味深いものなんですよ!」
というわけで、ホテルの注意書きから、そこに訪れる“トンデモ客”の実態や世相を探ってみることに!
■注意書きvsトンデモ客!
瀧澤氏は「注意書き」の数が最も多いのはカプセルホテルだと言う。
「料金が安いカプセルホテルには幅広い層の客が宿泊します。さまざまな価値観を持つゲストが快適に過ごすためには、細かい注意書きを増やさざるをえません」
どんな注意書きがあるの?
「必ずあるのは『カプセル内での喫煙・飲食禁止』というもの。火災の予防やカプセル内を汚されないためにも当然のことですが、やはり従わない人はいます。そのため『汚した場合は実費を請求させていただきます』といった内容が書かれていることも少なくありません」
喫煙は危なすぎる!?
「また、法律上カプセルには鍵をかけることができないので、盗難も発生しやすい環境。貴重品を必ずロッカーに入れるよう促す張り紙と共に『ロッカーの鍵は肌身離さず』という掲示や『鍵を枕の下に入れて、枕を奥にしておやすみください』なんて注意書きも見たことがあります」
過剰なような気もするけど、確かに海外の客には説明してあげないとわからないかも。
「そうなんです。日本独自の文化であるカプセルホテルは今、訪日外国人客からも大人気。そのため、大浴場には公衆浴場文化のない彼らに向けた注意書きも増えています。『浴槽の中で顔や体を洗わないでください』『タオルを持って帰らないでください』なんてことが様々な言語で書かれていたりしますよ」
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