ファン層の違いなのか? 棋士グッズはかわいくデフォルメされ、女流棋士グッズはリアルな写真 ファン層の違いなのか? 棋士グッズはかわいくデフォルメされ、女流棋士グッズはリアルな写真

昨年12月のデビュー以来、公式戦28連勝中(6月21日現在)の史上最年少棋士、藤井聡太四段(14歳)。彼のグッズがバカ売れだ。

7日に発売された座右の銘入りの扇子は完売で現在、3ヵ月待ち。12日に発売された対局姿がプリントされたクリアファイルも用意した830枚が即日完売。将棋好きアイドルとして知られるSKE48の鎌田菜月(かまた・なつき)ちゃんも「ネットは即完で購入できませんでした…」と涙目だ。

「デビュー間もない棋士のグッズが発売されるのは異例のこと」と言うのは、アイドル好きの棋士としても知られる、大平武洋(おおひら・たけひろ)六段。

「棋士のグッズといえば扇子がおなじみですが、目安として八段以上、またはタイトルホルダーにならないと出さない。クリアファイルになると、女流棋士はともかく、男性だと羽生(善治)さんも作ってないかも!」

そこで、実際に棋士グッズを手に入れようと、とある平日の午後、東京・千駄ヶ谷にある将棋会館の売店へ。藤井四段フィーバーで大混雑と思いきや、意外にもお客はゼロ。

店内には将棋の駒や扇子などの定番商品のほかに興味深い棋士グッズが。まずはスイーツに囲まれたファンシーな似顔絵の糸谷哲郎(いとだに・てつろう)八段タオル(486円)。ゆるキャラみたいでかわいい。そして「山崎隆之」とだけ書かれたマフラータオル(1500円)。サッカーの試合みたく、タオルを掲げて応援するのだろうか。

注目は女流棋士しおり(4人セット500円)。登場メンバーは美人棋士から個性あふれる実力派までさまざま。盤面を見つめ悩む姿や将棋イベント出演中のひとコマ、アイスを持ったデート中のような姿などバリエーションは多彩だ。

グッズの中でも、将棋ファンの間で話題となったのが、昨年発売された「室谷由紀(むろや・ゆき)生誕記念グッズセット」。

「NHKの将棋番組に出演中の美人棋士、室谷由紀女流二段の扇子やタオル、生写真などのグッズ詰め合わせで9千円するのですが、完売しました」(将棋ファン)

まるでアイドルのような現状に、前出の大平六段が言う。

「グッズが出るのはいいことだと思います。せっかくなら普段、アイドルグッズを作っているようなメーカーに発注して、もっといろいろなグッズを出してほしいですね」

プロ棋士は男女合わせて200人以上。まだ個人グッズのない棋士もたくさんいる。

「作ってほしいのは棋士カード。皆さん個性豊かだし、新規ファン獲得に」(前出・鎌田菜月ちゃん)

グッズが増えれば楽しそうだが、今の手作り感あふれるユルい感じは残してほしい。