かつては織田信長や豊臣秀吉、徳川家康が支配していたという兵庫県朝来市(あさごし)の生野(いくの)銀山から、総勢60体のマネキンが地下アイドルグループ「GINZAN BOYZ(ギンザンボーイズ)」としてデビュー!
……えっ!?
主役は、採掘の様子を再現するため観光坑道に置かれているマネキン。その全員に名前とキャラを設定するなど、かなり手が込んでいる。7月11日にYouTubeでMV(ミュージックビデオ)が公開されたデビュー曲『ギンギラ銀山パラダイス』は、光GENJIを思わせる謎のゴージャスさで話題となり、早々と再生1万回を突破。そして、26日にはデビューイベント。……マネキンがイベント? 興味本位で現地へ。
着いてびっくり、マスコミが多い! テレビ局、地元紙など20社はいる。ただ、夏休みとはいえ平日だし、会場は山中の屋外。これは豪快な企画倒れになるんじゃ? 曇り空の下、不安を感じる。
しかし、開演が近づくと家族連れや女性グループが次々と来場。客席は当初の30席では足りず、イスを追加することに。たまたま銀山に来たおじいちゃんたち以外は全員がGINZAN BOYZ目当てで、応援パネルを自作したファンまで……!
11時にイベント開始。ヒーローショーっぽく、司会は若いお姉さん。関係者の挨拶が始まるも、MVで名演技を見せた古谷一行(ふるや・いっこう)似の市長は所用のため残念ながら欠席。
さあ、ついにメンバーの登場! ……全員スタッフに担がれながら。そうなると思ってたよ! マネキンだし。
そして『ギンギラ銀山パラダイス』の披露。マネキンが華麗にターンやジャンプ……なんてできません! 代わりにスタッフが曲に合わせて必死にマネキンを揺らす。なかなか大変そうだ。
最後はじゃんけん大会。マネキンでどうやるのかと思ったら、二人羽織方式で手だけ人間。ナイスアイデアだ。全体的にヌルッとした空気のまま、45分でイベント終了~。
姫路市から車で1時間かけて来たOLのアリサさんは、「生野銀山は初めて。推しメンは爆破係の“ちえお”。『発破(はっぱ)!』の声がカッコいい♥」と満足げ。マジっすか。
GINZAN BOYZのマネジャーを務める生野銀山の大坂雄吾氏に話を聞いた。
「マネキンをアイドルにすると聞いて、大丈夫かなと。僕らにしたら小道具だし。でも大盛況でよかったです。次の展開は、まだセンターが決まってないので選挙とか……」
今回のイベントに登場したのは7体。残りのメンバーも見たかったです。
「地上に持ってくるのが大変なんです。しかも普段は湿気のある所にいるので、もろくなっていて。実は昨日、1体足が折れちゃいました」
動かすだけでひと苦労。全員登場ライブは実現するか?