地方で顕著な公共インフラの老朽化問題。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、"政局なんかより重要"なこの問題について議論する!
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ひろ 高度経済成長期に造られた橋梁の老朽化が進んでるそうです。
ホリ 高度経済成長期は1950年代から70年代だから、もう50年を超える建設になる。そりゃ、老朽化も進むよ。
ひろ 建物って「建てたらそれで終わり」じゃなくて、使い続けるにはメンテナンスが必要じゃないですか。それは橋梁とか道路などの公共インフラも同じですよね。
ホリ うん、超当たり前の話。そして、そのメンテナンスにはお金がかかるっていうのも誰でも知ってることでしょ。
ひろ んで、これまでは古くなった橋梁は架け替えや修繕をしていたわけですが、自治体が財政難のためにメンテナンスができず、撤去されたり通行止めになるケースが増えているらしいんですよ。
ホリ これってメンテナンスコストを考えないで造ってしまった典型的な例だよね。後先考えずにやってしまったツケが、今、回ってるんだよ。
ひろ 公共施設を造るときは、地元の業者にお金が落ちて雇用も増えるので喜んで造っちゃいますけど、「じゃあ、その後のメンテナンスの財源はどうするの?」って話にはなかなかならないですよね。ちなみに、建設してから50年たった橋梁は全国の橋梁の約2割で、そのほとんどが撤去か通行止めになるらしいです。そして、2023年には、それが約4割になると。
ホリ てか、橋梁が老朽化して通行止めになり不便だっていうけど、田舎は不便で当たり前なんじゃないの。便利な暮らしがしたいなら都会に住めばいいんだよ。田舎を都会と同じくらい便利にしろってのはありえないよ。
ひろ 例えば、僕がインフラが何もないド田舎の土地を買って、「俺はここに住むことに決めたから、水道と電気とバスを税金で整備してくれ!」って言い出したら、頭がおかしくなったと思われるじゃないですか。
ホリ そうだね(笑)。
ひろ 田舎に住んでいる人たちの公共インフラを整備するのって、これと似ていると思うんですよ。インフラの整ってない所に住むって、金持ちの道楽の一種みたいなもんですから。
ホリ 実際にアメリカでは大富豪がド田舎に住んでたりするけど、彼らは自前でインフラを整備しているからね。
ひろ だから、正直な話、お金や資産がないのなら、仕事のある都会に引っ越すべきなんです。今までは日本経済が割と良かったので地方を支え続けられましたが、これからはそうではなくなる。限界集落のインフラを整備し続けるのは厳しいですよ。
ホリ 一番効率的なのは都心部に集中して住むことだからね。
★後編⇒総選挙でなんで争点にしないの? ホリエモン×ひろゆきが「政局なんかより重要」と深刻に考えた問題とは...
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)