09年に母親の介護のため、この集落に帰郷したAさん。最初の数年は住民との関係も良好だったが、13年頃からあることがきっかけになって、険悪な空気になったという

総世帯数14。大分県北部に位置する宇佐市の集落が“村八分騒動”に揺れている。

定年退職を機に兵庫県からUターンした男性Aさん(68歳)に対して、この集落は自治会加入を認めないなど、集落ぐるみでのけものにした。そして11月6日、Aさんの申し立てを受けた大分県弁護士会が「この村八分は人権侵害に当たる」として、同集落に是正勧告を出したと発表したのだ。

本誌記者が現地へ駆けつけると、集落内の畑でポツンと座り込むAさんの姿があった。その背中はいかにも寂しそうだ。

村八分にされてから今年9月で4年半が経過。行事の誘いもなければ、市報の配布もなく、集落の人と口をきくこともなくなったという。また、昨年9月には、Aさんが毎日畑へ通う道の上に「私道」と赤ペンキで書かれる、という事件も発生している。

「いやがらせですよ。私にこの道を通行するなと言いたいのでしょう。でも、ここを通らなければ畑に行けないんですよ」(Aさん)

彼はなぜ村八分にされてしまったのか。そして、垣間見えてきたこの集落の“闇”とは?

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道路の真ん中に一本の線が引かれ、路面には「私道」「市道」と書かれている。「これは私の畑に自宅が隣接しているBさんが、昨年の9月に書いたものです。私道は私有地だから入るな!ということですね」(Aさん)

(取材・文・撮影/ボールルーム)