当時、零戦は約1万800機製造されたが、現在、飛行可能な機体は4機のみ。この機体は映画『パール・ハーバー』にも登場している

11月15日、午後2時40分。一機の零戦が北九州空港の上空を旋回すると、滑走路に静かに降り立った。

この零戦、1942年のソロモン海戦中に撃墜されたと思われる機体で、70年代にパプアニューギニアで発見されたもの。

その後、米サンタモニカの航空博物館で保管され、90年代初頭にアメリカとロシアでレストアされた、現在、世界に4機しかない飛行可能な零戦の一機という激レアな逸品だ。

そしてなんと、現オーナーの石塚政秀氏が、この零戦を売りに出している!

「零戦は、二度とあってはならない悲しい歴史を背負うと同時に、当時の日本の技術の粋を結集させた歴史的遺産でもあります。外国からはすでに購入の打診が数件あるのですが、私はぜひ日本で保管し、空飛ぶ姿を多くの日本人に見てもらい、平和への思いを強くしてもらいたいと願っています。4億円から交渉させてください」(石塚氏)

アメリカとロシアで約10年、38万時間の作業時間を費やし飛行可能に。現在、PRATT&Whitney社製のエンジンを搭載している

3000km飛行可能で、最高速度は500キロを超える。ただし操縦するには、アメリカで零戦専用のライセンスを取得する必要がある

中肉中背の本誌記者が乗り込むと、さほど狭さを感じなかった。空調はなく、寒くなるとエンジンの熱をコックピットに送り込むとのこと

 

オーナーの石塚政秀氏。購入希望の問い合わせは、ゼロ・エンタープライズジャパン【https://www.zero-sen.jp/contact/】まで

(撮影/ヤナガワゴーッ!)