高い技術力と安定性で定評のある日本の新幹線。
その一方で、『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏は東海道新幹線は「ソフト面が残念」と指摘する。その理由とは―?
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ひろ 年末年始は帰省ラッシュとかがニュースになりますよね。海外に住んでいて思うんですけど、日本の新幹線ってすごいんですよ。技術の高さもそうなんですけど、あの安定性はハンパないっす。300キロ近くで走る列車が10分間隔で毎日運行しているとか、おかしなレベルですよ。
ホリ それは言えるね。世界を見渡しても間違いなくトップレベルでしょ。
ひろ スピードが速いだけの電車なら造れると思うんですが、あの安定性を実現できる国はなかなかないですよね。新幹線って「不確定要素を一切排除して、ひたすら効率を良くする」という日本人のいい面がフルに出ていると思うんです。
ホリ 「のぞみ」などの東海道新幹線を運行しているのはJR東海だけど、たぶん鉄道オタクの職員が定時運行に命を燃やしてるんだと思う。
ひろ そうやって技術面や定時運行にはめっちゃ力を入れてる一方で、残念なのがソフト面ですよね。
ホリ そうそう。例えば、フリーWi-Fiとかちゃんと使いやすく整備されてないじゃん。あと大型の荷物を置くスペースがない車両もあったりするし。
ひろ 新幹線を運行している会社にしてみればWi-Fiのアクセスポイントを多く整備することなんて大したことないだろうに。たぶんですけど「そういうソフトなところは、俺たちがやることじゃねーだろ」と思っているかもです。
ホリ 東京から京都や大阪を結んでいる新幹線は外国人客も乗るわけだけど、チケッティングシステムの英語対応などが微妙だったりもするよね。
ひろ 日本人客向けの傾向が強いですよね。
ホリ だね。
ひろ それに、日本のフリーWi-Fiって、メアドを入力させたり同意や承諾ボタンをタップさせるみたいなステップが多いですよね。フランスの空港もメアドを入れさせたりしますけど、日本のはもっと複雑です。
ホリ あれ、本当ウザいよね。複雑すぎて、俺、何回諦めたことか。今の新幹線のWi-Fiだってめっちゃ使いづらいでしょ。便利にする工夫はいくらでもできるのに。
ひろ 東京-大阪間って、出張や観光でものすごい需要があるのに、ユーザーの快適さとかどうでもいいんでしょうね。どうでもいいと考えてないんだとすれば、後回しにしてるとか。
ホリ でも、そのおかげで技術力の最たるものであるリニア中央新幹線が実現するんだけどね。ドル箱の東海道新幹線がなきゃ、JR東海はリニアなんか絶対造れなかったから。
ひろ 東京-大阪みたいなドル箱路線があれば、リニアみたいな技術開発にお金を突っ込めますからね。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが思案する東京-大阪の移動手段「競争原理があれば運賃は半額以下に...」
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)