ネット上では珍しくない有名人への誹謗(ひぼう)中傷の書き込み。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、"誹謗中傷されやすい"当事者として、この問題への新たな対応策を語る!
* * *
ホリ 横浜DeNAベイスターズの井納翔一選手が、妻を中傷した20代のOLを訴えたというニュースがあったんだけど知ってる?
ひろ そのOLさんは何をしたんですか?
ホリ ネット上で「このブスが嫁ならキャバクラ行くわ」とか書き込んだらしい。
ひろ へー。で、いくら請求されたんですか?
ホリ 情報開示にかかった費用も含めて200万円弱らしいよ。実は俺も名誉毀損(きそん)で週刊誌を訴えたことがあるんだよね。ライブドア事件に関する事実無根の記事を書いた7、8誌を訴えて、全部勝った。
ひろ ちなみに、いくらくらいもらったんですか?
ホリ 確か1件当たり200万~300万円くらいだった気が。全部で2千万円近く取ったんじゃないかな。
ひろ すごいっすね。まあ堀江さんが訴えたのは週刊誌でしたけど、井納選手が訴えたのは一般人ですよね。珍しいからニュースになったと思うんですが、似たようなケースは今後もどんどん増えるんじゃないですかね。
ホリ ネット上の誹謗中傷って珍しくないけど、弁護士を立てると費用がかかりすぎるからって、以前は泣き寝入りする人が多かったはず。
ひろ でも、その弁護士のコストが毎年下がってきていますからね。10年前とかってネット上の誹謗中傷の裁判をお願いしても「何それ?」って感じだったんですけど、最近は「ユーチューバー弁護士」とかいるくらいですから。「こうやって証拠を残しましょう」「コストはこれぐらいです」ってサクサク教えてくれますよ。
ということで、誹謗中傷されやすい有名人なら、すべて訴えたら結構なお金を取れちゃう。ひとり当たり50万円の賠償金でも20人捕まえたら1千万円ですし、普通にやる人いるんじゃないですか?
ホリ 俺もやれば結構取れそうだな(笑)。
逃げられるケースも多い?
ひろ 堀江さんの名誉毀損に当たる発言って、探せば1000くらいあると思うんですよ。そんで弁護士に「手数料を10%取っていいから好きに訴えて」と言ったら、ガンガン裁判を起こして、堀江さんも弁護士もすごい儲かると思うんですよね。
ホリ だよね。やろうかな?(笑)
ひろ 堀江さんを誹謗中傷するコメントは定期的にあるわけですし、ちゃんとしたビジネスになりますよ。
ホリ でも、訴えて勝ったとしても、逃げられるケースも多そうじゃん。そもそも、ひろゆきが...(笑)。
ひろ いやいや(笑)。でも、相手がサラリーマンなら、会社に言えば給料を差し押さえられますし、仮に無職の人でも実家とかに住んでいると親が払うケースもありますから。
ホリ さすが詳しいね(笑)。
ひろ 誰かみたいに覚悟決めて「絶対に払わない!」ってタイプなら逃げることもできますよ(笑)。でも、日本にはそういう人は多くないですから。まあ、数十万円を払うか、弁護士から連絡がずっと来続けて会社にも言われることを考えたら、毎月3万円ずつとかでも払うって人がほとんどだと思いますよ。
★後編⇒有名人のサイドビジネスで裁判が流行る!? SNSでの誹謗中傷にホリエモン×ひろゆき「やっちゃおうかな」
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)