JR東日本は5月8日、東京と伊豆を結ぶ路線に観光特急列車として新車両E261系(8両編成)を投入することを明らかにした。今までのグリーン車より広くて快適なプレミアムグリーン車、4人用、6人用グリーン個室など注目ポイントがあるなかで、ひときわ話題となっているのが、4号車が丸ごと“ヌードルバー”になること。ラーメンやうどん、そばなどの麺類を提供し、個室には出前もする予定だという。
「そこでウチの麺を出せたら、鉄道マニアとしてこんなにうれしいことはないです!」
そう語るのはマニア歴40年以上、東京・東久留米で鉄道グッズだらけのラーメン&日本そば屋「福幸軒」を営む黒田宗一氏。
「東京から下田まで3時間弱。旅行先のレストランや旅館で名物料理を食べるでしょうし、軽く食べられる麺類はいいアイデアだと思います」
現在、JR各社では予約なしに利用できる食堂車はなく、今回が久々の復活となる。鉄道芸人として数多くの番組に出演するダーリンハニー吉川正洋氏も驚きを隠せない。
「びっくりしました! しかも麺をメインにするとは…。確かに昭和30年代の国鉄で立ち食いそばを提供する車両はありましたが、まれなケース。やっぱり車内は揺れるし汁物は危ない。かつての食堂車のメニューもカレーやハンバーグなどが中心でした。でも、昔よりは揺れないでしょうし、うまい調理の方法もあるのでしょうね。
あとはどんな麺が出るか気になりますね。やっぱり沿線の名産を使ってほしい。東伊豆の稲取(いなとり)あたりは金目鯛が有名ですし、下田なら伊勢エビ。大穴予想で熱川(あたがわ)バナナワニ園の近くを走るので、バナナワニラーメンとか!」
それはちょっと遠慮したいです…。予想される運行区間は東京駅もしくは新宿駅から伊豆急下田駅。その区間に何度も乗っている吉川氏に、麺を食べるのにぴったりなスポットを教えてもらった。
「オススメは東伊豆の片瀬白田(かたせしらた)駅から稲取駅間。海岸線がきれいで、晴れれば伊豆大島が見えます。鉄オタなら秘境駅の稲梓(いなずさ)駅あたりもいいですね。ただ、僕的に面白いのは東京や横浜。この車両は景色が見やすいよう、窓に向かってカウンター席を並べるとのことですが、駅に止まったらホームのお客さんと目が合う。豪華列車に乗っている姿を見てほしいですね(笑)」
新車両のデビューは東京五輪直前の2020年春。麺は外国人観光客からも人気のメニューだけに、E261系はたくさんのお客さんを集めて快走することになりそうだ。