"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
ホリエモンが10月に開校する「ゼロ高等学院」が話題になっている。「座学を目的とせず、行動を目的とする」を校訓とし、さまざまな専門分野をプロから学べるという。
前編では、ひろゆきが「高卒資格は取れつつ、プラスαの部分で戦う戦略は面白い」と評価しつつも、「普通の高校に行って大多数が経験していることを知るのも重要」と語った。
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ひろ アメリカ人が日本を舞台にした学園ドラマを作っても違和感がどこかにあると思うんですよ。そういうネットで学べない経験や知識が文化になっていくのかと。んで、エンタメ業に関わるなら、それを知らないのは、かなりのデメリットかと。
ホリ そういう部分って中学までで十分学べるんじゃない?
ひろ 中学が舞台の作品と高校が舞台の作品だと、高校のほうが多いんじゃないすか?
ホリ ってか、別にエンタメに関わんなきゃよくない?
ひろ でも、ユーチューバーもブロガーもゲームクリエーターも、みんなエンタメの分野で活動してますからね。普通の高校に行けない人の可能性を広げることはスゴくいいことだと思うのですが、普通の高校を蹴って通信の高校に行くのは、失うものを理解してから行くべきかなぁと。
ホリ というと?
ひろ 人生を決め打ちしてうまくいく人って、ごく一部だと思うんですよ。中学生のときにすし職人を目指しても、大人になったときに変わるなんてよくあることかと。
んで、そのときに足りない経験や知識が、後から手に入るものと手に入らないものがある。その選択を子供のうちにさせちゃうのは酷かなと。すしの技術とかは後からでも学べますから。
ホリ でもまあ、子供がやりたいと思うことに対して、選択肢を用意してあげるのは親の役目。そういった意味では、プロから学べる環境のゼロ高は役立つはずだよ。
元マイクロソフト社長の成毛眞(なるけ・まこと)さんや『宇宙兄弟』などを手がけている編集者でコルク代表の佐渡島庸平さん、『ビリギャル』の著者で塾経営者の坪田信貴さんなんかも参加しているし、これからもどんどん追加していくつもり。「N高等学校」を運営しているドワンゴの川上(量生/のぶお)さんからも営業のノウハウを学んできたし。
ひろ でも、N高とは直接的なライバルにならないんすか?
ホリ どっちかというと仲間かな。既存の高校に対する対立軸という意味で。
ひろ なるほど。なんかサッカーJ3のFC琉球も高校を運営しているみたいですし、こういった動きは加速していくかもですね。
ホリ 今の学校教育は子供たちが自分で学びたいと思うことを奪ってしまう教育になっているじゃん。本当は進学のためではなく、やりたいことのために進路を自ら選ぶ力が必要なのに、多くの人が小・中・高と当たり前のように進学する。そして就職するために大学に行く。
何をしたいかよりも"形を整える"ことを優先しているし、親もそれが正しいと思い込んでいる。そんな現代の学校教育を壊すことができたらと思っているんだよね。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。『これからを稼ごう 仮装通貨と未来のお金の話』(徳間書店)が発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)